アオウル博士: ITとセキュリティの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。
ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCやスマホは毎日使うけど、たまにツールがうまく使えず困ってしまう。

Windowsで「パブリック」「プライベート」の切り替えボタンが消えた?設定から変更できない時の絶望的な状況を、PowerShellコマンド2つで解決する確実な方法をIT専門家の博士が会話形式で徹底解説。Get-NetConnectionProfile と Set-NetConnectionProfile の使い方、そしてネットワーク設定を間違えることの危険性(警告)まで分かりやすく紹介します。
博士、大変です!PCのネットワーク設定がおかしくなっちゃいました!
自宅のWi-Fiにつないだのに、PCが「パブリック ネットワーク」って認識してて…。これじゃあ、プリンターや他のPCに接続できないんです!
それで、「プライベート」に切り替えようと設定画面を開いたら…肝心の切り替えボタン(ラジオボタン)が無いんです!どこにも!

おぉ、ミマワリ君、落ち着いて。それは焦るじゃろうな。
【警告】その症状は、Windows 10やWindows 11で時々発生する、典型的な「お困りごと」の一つじゃ。決して珍しいことではないぞ。
えぇっ!?そうなんですか?僕はてっきり、自分のPCが壊れたのかと…。ボタンが消えるなんて、普通じゃないですよ!

うむ。驚くのも無理はない。その「ボタンが消える」現象こそが、まさにユーザーが直面する「④ギャップ」なんじゃ。
これは、Windowsのアップデートによる一時的な不具合や、特定のネットワークドライバーとの相性問題、システムの不整合など、様々な理由で発生する。
問題は、「ビフォー」(簡単にボタンで変えられた状態)と「アフター」(ボタンが消えて何もできない状態)の差があまりにも激しいことじゃ。多くの人がここで「詰んで」しまう。
まさに「詰んで」ます…。じゃあ、どうやったら直せるんですか?初期化とかしないとダメ…?

まぁ待て。大丈夫じゃ。設定画面(GUI)という「表の窓口」が閉まっているなら、IT管理者や開発者が使う「⑥秘密」の通用口から入ればいい。
それが、「PowerShell(パワーシェル)」を使ったコマンド(命令)による直接変更じゃ。これから、その「③検証系」の手順を一緒にやってみよう。呪文はたった2つで終わるぞ。
第1章:【検証】まずは現状確認! 呪文その1「Get-NetConnectionProfile」
ぱ、PowerShell…?あの、テレビドラマでハッカーが使ってるみたいな、青い画面のアレですか!?僕にできるかなぁ…。

(笑)大丈夫じゃよ。見た目に圧倒されがちじゃが、やること自体は「コピー&ペースト」と「Enterキーを押す」だけじゃ。
まずは、PowerShellを「管理者」として起動する必要がある。これが重要じゃ。
- スタートボタン(Windowsマーク)を右クリックする。
- メニューから「Windows PowerShell (管理者)」または「ターミナル (管理者)」を選ぶ。
- 「ユーザー アカウント制御」が出たら「はい」をクリックする。
これで、青(または黒)い画面が起動したじゃろう。
は、はい!起動しました!なんか緊張しますね…。

うむ。では、最初の呪文じゃ。まずは「現状確認」。以下のコマンドをコピーして、PowerShellの画面に貼り付け、Enterキーを押してごらん。
Get-NetConnectionProfile
(Enter!!)…あ!なんか英語がいっぱい出てきました!
えーっと、「Name: MyHomeWiFi」とか「InterfaceAlias: Wi-Fi」とか、あと…あ!ありました!「NetworkCategory: Public」って書いてあります!これが原因ですね!

その通り!上出来じゃ、ミマワリ君。
この Get-NetConnectionProfile というコマンドは、文字通り「現在PCが接続している(または過去に接続した)ネットワーク接続のプロファイル情報(Profile)を取得(Get)しろ」という命令じゃ。
ここで重要なのは、君が見つけてくれた2つの項目じゃ。
- InterfaceAlias(インターフェースエイリアス):
これが「どのネットワーク機器か」を示す、OSが認識している分かりやすい名前じゃ。ミマワリ君の場合は「Wi-Fi」じゃったな。有線LANなら「イーサネット」などと表示される。
- NetworkCategory(ネットワークカテゴリ):
これが「パブリック」か「プライベート」かの現在の設定状態じゃ。
次のステップで、この「Wi-Fi」という名前(InterfaceAlias)を使って、「Public」になっている設定を強制的に変更するぞ。
第2章:【解決】いざ設定変更! 呪文その2「Set-NetConnectionProfile」
おお!いよいよですね!次の呪文は何ですか?

うむ。これが解決の呪文じゃ。以下のコマンドを、さっきと同じようにPowerShellに貼り付けて、Enterキーを押すんじゃ。
(※もし InterfaceAlias が “イーサネット” だったら、 “Wi-Fi” の部分を “イーサネット” と書き換えるんじゃぞ)
Set-NetConnectionProfile -InterfaceAlias “Wi-Fi” -NetworkCategory Private
(Enter!!)…あれ?
博士、今度は何もメッセージが出ないで、次の行に行っちゃいました。これ、成功してるんですか…?

うむ。それが「成功の証」じゃ(笑)。この手のコマンドは、エラーが出ない限り、命令は無事に実行されておる。
コマンドの意味を解説しよう。
- Set-NetConnectionProfile
「ネットワーク接続プロファイルを設定(Set)しろ」という、そのままの意味の命令じゃ。
- -InterfaceAlias "Wi-Fi"
「どのネットワークに対して実行しますか?」の指定じゃ。さっき調べた “Wi-Fi” を " " (ダブルクォーテーション) で囲んで指定しておる。
- -NetworkCategory Private
「どのような設定に変更しますか?」の指定じゃ。ここで “Private”(プライベート)を指定したわけじゃな。
これで、設定画面(GUI)では操作できなかった設定が、OSのレベルで直接書き換えられたはずじゃ。
本当ですか!?えーっと、じゃあ、さっきの「現状確認」の呪文をもう一回使ってみます!
Get-NetConnectionProfile
(Enter!!)…あぁーっ!!博士!変わってます!
「NetworkCategory: Private」になりました!すごーい!これが「②ビフォーアフター」ですね!

うむ、これで解決じゃ。PCは「自宅の安全なネットワーク」と認識し直したはずじゃ。これでプリンターやファイル共有も、すぐに使えるようになるじゃろう。
ボタンが消えるという「④ギャップ」に直面しても、PowerShellという確実な方法を知っていれば、もう慌てる必要はないんじゃよ。
第3章:【比較と警告】「プライベート」と「パブリック」の致命的な違い
いやー、助かりました!本当にありがとうございます!
でも博士、そもそもこの「プライベート」と「パブリック」って、そんなに大事な設定なんですか?ぶっちゃけ、どっちでもネットは繋がりますよね?

【重大警告】ミマワリ君、甘い!甘すぎるぞ!
それは、ネットセキュリティにおける「玄関の鍵」をかけるかかけないか、というくらい重大な「①比較」ポイントじゃ!この設定を間違えると、君のPCが丸裸同然になりかねんのじゃぞ!
ひぇっ!ま、丸裸!?

うむ。この設定は、Windowsのセキュリティの根幹である「ファイアウォール」の動作に直結しておる。この2つの違いを、絶対に覚えておくことじゃ。
🟥 プライベート (Private)
- 想定場所: 自宅、社内ネットワークなど、自分が管理・信頼できる場所。
- 動作: 「このネットワークは安全」とWindowsに教える設定じゃ。同じネットワーク内の他のPCやプリンター、NAS(ネットワークドライブ)などを検出しやすくなる(ネットワーク探索が有効になる)。ファイル共有などが許可されやすくなるんじゃ。
- 例え: 「自宅の玄関の鍵を開けて、家族が自由に出入りできる状態」じゃ。
🟦 パブリック (Public)
- 想定場所: カフェ、空港、ホテル、駅などの公共Wi-Fi。
- 動作: 「このネットワークは危険(かもしれない)」とWindowsに教える設定じゃ。PCがネットワーク上で「隠れた」状態になり、他のデバイスから検出されにくくなる(ネットワーク探索が無効になる)。ファイル共有などは原則ブロックされ、セキュリティが最大限に強化される。
- 例え: 「知らない場所(公共の場)で、玄関に厳重に鍵をかけている状態」じゃ。
なるほど…!
じゃあもし、カフェのWi-Fiを間違えて「プライベート」に設定しちゃったら…

最悪じゃな。君のPCは、公共の場で「仲間探してます!データ共有できますよー!」と大声で叫んでいるのと同じこと。悪意のある攻撃者にとっては、絶好の標的になってしまう。PCの中身を覗き見られたり、ウイルスを送り込まれたりする危険性が格段に高まるんじゃ(⑤警告)。
逆に、君が今回なった「自宅でパブリック」は、プリンターが使えなくて不便なだけで、セキュリティ的にはむしろ安全すぎるくらいなんじゃよ。
第4章:まとめ ~ ボタンが消えても慌てないIT知識
いやー、今日は本当に勉強になりました!
設定ボタンが消える「ギャップ」に焦りましたけど、PowerShellっていう「秘密」の解決策を知れてよかったです。これ、同じように困ってる人、結構多いんじゃないですか?

うむ。実はこれ、ITサポートの現場では「よくあるお困りごと⑦ランキング」の上位に入るほど、頻繁に発生するトラブルなんじゃよ(笑)。
多くの人は「PCが壊れた」「Windowsを初期化しないとダメかも」とパニックになってしまう。
しかし、ビフォー(GUIで簡単設定)の状態に固執せず、アフター(PowerShellで直接設定)という別の道を知っていれば、冷静に対処できる。今日の「検証」は、ミマワリ君にとって大きなスキルアップになったはずじゃ。
はい!博士、ありがとうございました!これからは青い画面も怖くありません!

うむ、頼もしい限りじゃ。ただし、コマンドの打ち間違いには十分注意するんじゃぞ。特に設定を変更する「Set」系のコマンドは、意味を理解してから使うこと。それがITを安全に使いこなす秘訣じゃからな。