株式会社 便利堂
文化財・顧客統合管理システム 導入プロジェクト
明治20年(1887年)の創業以来、国宝や重要文化財を含む美術作品の撮影・コロタイプ印刷・出版を通じて、日本の文化財保護と普及に貢献してきた株式会社便利堂。
130年以上の歴史の中で蓄積された「文化財データ」と、美術館・寺社仏閣・研究機関といった多岐にわたる「顧客情報」は膨大な量にのぼります。
アオウル株式会社は、散在していたこれらの情報資産を整理・統合し、次世代へ継承可能なデータベースシステムを構築。情報の「検索」と「活用」における課題を抜本的に解決しました。
PROJECT PROCESS 01:現状分析と課題の抽出
歴史が積み重ねた「情報の断片化」
プロジェクト開始にあたり、アオウル開発チームはまず、便利堂様が保有するデータの構造解析と業務フローのヒアリングを実施しました。そこで浮き彫りになったのは、歴史ある企業特有の「情報の断片化」と「属人化」という二つの大きな課題でした。
- ● 情報の孤立:
「文化財の作品データ(画像・スペック)」と「顧客データ(所有者・権利者)」が別々のアナログ台帳やExcel、古いシステムで管理されており、相互の紐付けが弱かった。 - ● 検索コストの増大:
「あの寺院の、あの時代の作品データはあるか?」という問い合わせに対し、複数の資料を横断して探す必要があり、回答までに多大な時間を要していた。 - ● 複雑な権利関係:
文化財には所有権・著作権・使用権など複雑な権利情報が付随するが、その管理ルールがシステム化されておらず、ベテラン社員の記憶に依存していた。
PROJECT PROCESS 02:解決策の策定とシステム設計
「モノ」と「ヒト」を有機的に繋ぐリレーショナル設計
上記の課題に対し、私たちは単なるパッケージソフトの導入ではなく、便利堂様の業務特性に完全にフィットさせたスクラッチ開発を選択しました。設計の核としたのは、「文化財(作品)」を軸とした多層的なデータ連携です。
① データの正規化と統合
散在していたデータをクレンジング(整理)し、一つのプラットフォームに統合。作品名、時代、作者、所蔵元といった属性情報で瞬時にクロス検索ができる基盤を構築しました。
② 顧客情報との強固な紐付け
「誰が所有しているか」だけでなく「過去にどのような取引があったか」「権利関係はどうなっているか」を、作品データと顧客データの間で双方向にリンク。複雑なリレーションを可視化しました。
導入効果と今後の展望
圧倒的な検索スピードと、次世代への継承を実現。
🚀 業務効率の劇的向上
- 情報検索にかかる時間を大幅に短縮。
- 顧客対応のスピードが向上し、機会損失を防止。
- 複雑な権利確認もシステム上で完結。
🏛️ 資産のデジタル継承
- ベテラン社員の知識をデータ化し、属人化を解消。
- 貴重な文化財データを安全な環境で永続的に保存。
- 次世代社員が直感的に操作できるUIを実現。
アオウル株式会社は、今後もシステムの保守・運用を通じて、便利堂様が守り続けてきた日本の文化財と、その技術の継承をITの側面からサポートしてまいります。




















