Power Query 使い方データ整形定型作業の自動化

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登場人物

アオウル博士: ITとデータの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。

ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCは毎日使うけど、毎月のデータ集計作業に疲れ果てている。

毎月のExcelレポート作成、面倒なコピペ作業に何時間も費やしていませんか?その「地獄の定型作業」は、Excel標準機能の「Power Query」で完全に自動化できます。この記事では、専門家が会話形式で、複数ファイルの結合からデータ整形(不要な列の削除、表記揺れの統一など)までの全手順を、初心者にも分かりやすく解説。一度設定すれば、あとは「更新」ボタンを1クリックするだけ。あなたの働き方を劇的に変える第一歩を、ここから始めましょう。

うぅ…博士、もうダメです…。月末の売上レポート作成で、目がしょぼしょぼ、肩はガチガチです。毎月毎月、各支店から送られてくるExcelファイルを開いて、データを一つのシートにコピペして、不要な列を消して、表記の揺れを直して…って、もう何時間も同じことの繰り返しで…。何か押し間違えて、数字がズレてないか不安でたまりません。

ミマワリ
アオウル博士

おぉ、ミマワリ君。それは「コピペ地獄」の典型的な症状じゃな。その毎月数時間かかっている作業、もし「ボタンを1回クリックするだけで、5秒で終わる」と言ったら、信じられるかね?

えっ!?5秒ですか!?そんな魔法みたいな話、あるわけないじゃないですか!マクロとか、難しいプログラミングが必要なんですよね…?僕にはとてもとても…。

ミマワリ
アオウル博士

ふぉっふぉっふぉ。プログラミングの知識は一切不要じゃ。その魔法を叶えてくれるのが、Excelに標準で搭載されている「Power Query(パワークエリ)」という機能なんじゃよ。今日はその使い方を、君の実際の作業に沿って一から伝授しよう。この記事を読み終える頃には、君はもう二度とコピペ地獄には戻れなくなっておるはずじゃ!

第1章:Power Queryとは? データ準備を自動化する魔法の厨房

パワークエリ…名前は聞いたことがあるような、ないような…。Excelの関数とは違うんですか?

ミマワリ
アオウル博士

良い質問じゃ。関数が「セル単位」で計算を行うものだとすれば、Power Queryは「データ全体」を加工・整形するための、いわば“厨房”のようなものじゃ。

【Power Queryを料理に例えると…】

  1. 食材調達 (データの取得): 色々な場所(フォルダ、Webサイト、データベース)から食材(データ)を調達してくる。
  2. 下ごしらえ (データの変換): 野菜の皮をむき(不要な列の削除)、大きさを揃えて切り(表記揺れの統一)、アクを取る(エラー値の処理)。
  3. レシピの記録 (手順の保存): これらの一連の調理手順を、すべて「レシピ」として記録しておく。
  4. 料理の完成 (データの読み込み): 出来上がった料理(整形後のデータ)を、綺麗なお皿(Excelシート)に盛り付ける。

一番のポイントは、この「レシピ」を一度作ってしまえば、次回からは新しい食材(データファイル)が届いても、「このレシピ通りに作って!」と指示する(=更新ボタンを押す)だけで、全自動で同じ料理が完成する点にあるんじゃ。元の食材(元ファイル)を傷つけることもない、完璧な厨房なんじゃよ。

第2章:実践!フォルダ内の複数ファイルを自動で結合する

なるほど…!なんだかワクワクしてきました!僕の作業も、その魔法の厨房で調理できるんでしょうか?具体的にどうすればいいか教えてください!

ミマワリ
アオウル博士

うむ!では早速、ミマワリ君の「複数支店の売上ファイルを結合する」作業を自動化してみよう。まず、下準備として、PCのどこかに「月次売上報告」のようなフォルダを作り、その中に支店から送られてきたExcelファイル(例:「東京支店.xlsx」「大阪支店.xlsx」)をまとめて入れておくんじゃ。

ステップ①:食材(データ)の調達場所を指定する

  1. 新しいExcelブックを開き、「データ」タブをクリックする。
  2. 一番左にある「データの取得」→「ファイルから」→「フォルダーから」を選択する。
  3. 「フォルダー」のダイアログボックスが開くので、「参照」ボタンを押し、先ほど支店ファイルを入れた「月次売上報告」フォルダを選んで「OK」をクリックする。

ステップ②:厨房(Power Queryエディター)に入る

  1. フォルダ内のファイル一覧が表示されたプレビュー画面が出てくる。ここで慌てて「読み込み」を押してはいかんぞ。我々はこれから“下ごしらえ”をするんじゃからな。
  2. 画面の下の方にある「結合」ボタンの右にある「▼」をクリックし、「結合とデータの変換」を選択する。これが厨房への入り口じゃ。
  3. 「ファイルの結合」という画面で、どのシートのデータを結合するか聞かれる。通常は「Sheet1」などを選び、「OK」をクリック。

さあ、これでPower Queryエディターという、君だけの厨房が開かれたはずじゃ!

わー!本当だ!Excelとは別のウィンドウが立ち上がって、東京支店と大阪支店のデータが縦に全部くっついて表示されています!すごい、これだけでも感動です!

ミマワリ

第3章:データの下ごしらえ!マウス操作で完璧なレシピを作る

アオウル博士

ふぉっふぉっ。感動するのはまだ早いぞ。ここからがPower Queryの真骨頂、データの下ごしらえじゃ。君がマウスで操作したことは、すべて画面右側の「適用したステップ」という欄にレシピとして記録されていくから、よく見ておくんじゃぞ。

レシピ①:不要な列(皮)を剥く

「各支店の担当者名や備考欄は、集計には不要じゃな。不要な列のヘッダー(例:「備考」)を右クリックし、「削除」を選択してみなさい」

→ ミマワリ君が操作すると、「適用したステップ」に「削除された列」という一行が追加される。

レシピ②:表記の揺れ(大きさ)を揃える

「商品名が大文字だったり小文字だったりしては、後で集計しにくいじゃろう。「商品名」列のヘッダーを右クリックし、「変換」→「大文字」を選んでみよう」

→ 「適用したステップ」に「大文字に変換済み」が追加される。

レシピ③:データ形式(切り方)を正しくする

「日付や金額が、ただの文字列として認識されていることがある。ヘッダーの左にある「ABC」や「123」のアイコンがデータ型じゃ。「売上日」列のアイコンをクリックして「日付」に、「売上金額」列のアイコンは「通貨」に変えてみよう」

→ 「適用したステップ」に「変更された型」が追加される。

レシピ④:新しい情報(味付け)を追加する

「どのファイルから来たデータか分かるように、元のファイル名から支店名を取り出そう。「ソース名」列(元のファイル名が入っている)を選択した状態で、「列の追加」タブ → 「例からの列」をクリックするんじゃ。新しい列に「東京」「大阪」と手で入力すると、Excelがパターンを推測して自動で支店名を抽出してくれるぞ」

→ 「適用したステップ」に「追加されたカスタム」などが追加される。

第4章:完成そして感動!魔法の「更新」ボタン

すごい…僕がいつも手作業でやっていたことが、マウスのクリックだけでどんどん記録されていきます!これが僕だけの「レシピ」なんですね!

ミマワリ
アオウル博士

その通り!レシピが完成したら、いよいよ盛り付けじゃ。

ステップ③:料理(データ)を皿(シート)に盛り付ける

  1. Power Queryエディターの左上にある「閉じて読み込む」ボタンをクリックする。

すると、Excelの画面に新しいシートが作られ、先ほどまで厨房で下ごしらえしていた、完璧に整形されたデータがテーブルとして読み込まれるはずじゃ。

ステップ④:魔法の瞬間!「更新」を体験する

さあ、ここからがハイライトじゃ。来月になったとしよう。新たに「名古屋支店.xlsx」というファイルが届いた。ミマワリ君、そのファイルを、先ほど作った「月次売上報告」フォルダにドラッグ&ドロップで追加してごらん。

そして、Excelに戻り、Power Queryが作成した緑色のテーブル内のどこでもいいから右クリックし、メニューから「更新」を選んでみなさい!

え…?えええええっ!?博士!すごい!すごいです!一瞬で名古屋支店のデータが追加されました!しかも、不要な列は削除されて、商品名も大文字になってるし、支店名もちゃんと「名古屋」って入ってます!僕が何時間もかけていた作業が…本当にワンクリックで…。信じられない…

ミマワリ
アオウル博士

ふぉっふぉっふぉ、これがPower Queryの力じゃ。君はもう、単純なデータ準備作業に貴重な時間を使う必要はない。Power Queryが作った綺麗なデータを使って、その分析や考察という、人間にしかできない付加価値の高い仕事に集中すれば良いんじゃ。働き方が、根底から変わるじゃろう?

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