アオウル博士: ITとセキュリティの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。
ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCやスマホは毎日使うけど、たまにツールがうまく使えず困ってしまう。

11月17日、Google Workspaceの動画作成ツール「Google Vids」に、待望の最新動画生成AI「Veo 3」が完全統合されました。しかし、現場からは「メニューが変わって使い方がわからない」「静止画を動画にする手順は?」といった戸惑いの声も。今回は、新機能の目玉である「画像から動画生成(Image-to-Video)」の操作方法と、失敗しない活用のコツを博士が徹底解説します。
博士、助けてください! 会社の採用サイト用にオフィスの紹介動画を作ろうとしてGoogle Vidsを開いたんですが…なんか画面が変わってませんか? 「静止画をアップすれば動画になる」って聞いたのに、どこを押せばいいのかサッパリで…。

落ち着くのじゃ、ミマワリ君。それは今週11月17日に行われた大型アップデートの影響じゃな! Google Vidsに、最新の動画生成AI「Veo 3」がついに搭載されたんじゃよ。
ベオ…スリー? なんですかそれ? いつもの「スライドショー動画」とは違うんですか?

全く別次元じゃよ! これまでのVidsは「紙芝居を動かすツール」じゃった。しかしVeo 3が入った今のVidsは、「魔法のように映像そのものを生み出すツール」に進化したんじゃ。君が持っている「ただのオフィスの写真」が、AIの力で「社員が歩き回り、光が差し込む動画」に変わるんじゃぞ!
第1章:迷子続出? 新機能「Image-to-Video」の正しい呼び出し方
すごい! でも博士、その機能がどこにあるのか見つけられないんです…。メニューが英語っぽくなってるし…。

ふむ、アップデート直後でUIが少し変わったからな。多くの人が迷っているポイントじゃ。手順を一つずつ整理して教えるから、一緒にやってみるんじゃ。
手順①:メディアタブを開く
まず、Vidsの編集画面を開いたら、左側のメニューバーにある「メディア(Media)」アイコンをクリックするんじゃ。
手順②:画像をアップロードする
「アップロード」ボタンから、動画にしたい静止画(JPGやPNG)を選択する。ここまでは今までと同じじゃな。
手順③:魔法の杖「Generate video」を選択
ここが重要じゃ! アップロードした画像をタイムラインに置く前に、その画像の右上に表示される「キラキラマーク(✨)」または「Generate video」という新しいボタンをクリックするんじゃ。これがVeo 3への入り口じゃよ。
あ! ありました! 画像の隅っこに小さなキラキラが! クリックしたら…「Describe how you want this image to move(どのように動かしたいですか?)」って入力欄が出てきました!

第2章:AIへの指示出し「プロンプト」の極意
そう、そこに「どう動いてほしいか」を指示(プロンプト)するんじゃ。だがミマワリ君、ただ「動け」と書いても、AIは困って変な動画を作ってしまうぞ。
えっ、そうなんですか? 「会社の人たちが楽しそうにしている」って書こうと思ったんですけど…。

それだと少し弱いな。Veo 3を使いこなすには、「カメラワーク」と「被写体の動き」を分けて指示するのがコツじゃ。以下の「魔法の型」を使うといい。
【Veo 3 成功のプロンプト構文】
[カメラの動き] + [被写体の具体的な動作] + [雰囲気・照明]
例:
×「社員が働いている」
○「ゆっくりと右へパン(移動)するカメラ。オフィスのデスクで、社員たちがPCに向かってタイピングをしたり、笑顔で会話をしたりしている。窓からは明るい自然光が差し込み、映画のような高画質(Cinematic lighting, 4k)。」
こう書くことで、AIは「どう撮ればいいか」を理解し、プロが撮影したような映像を生成してくれるんじゃ。
第3章:こんな時どうする? よくあるトラブルと解決策
なるほど! 詳しく書けばいいんですね。…あれ? でも博士、生成ボタンを押してからもう30秒くらい経つんですが、まだ終わりません。壊れちゃいましたか?

焦るでない。Veo 3は高度な計算処理を行っているから、動画生成にはそれなりの時間がかかる。特に高解像度の設定だと、30秒〜1分程度待つのは正常じゃ。コーヒーでも一口飲んで待つくらいの余裕が必要じゃな。
【注意点:8秒の壁】
それから、一度に生成できる動画の長さは、現時点では「最長8秒」程度じゃ。3分の動画を一発で作れるわけではない。8秒の「素材」をいくつか作って、それをVidsのタイムラインで繋ぎ合わせる…という使い方が基本になるぞ。
わっ、できました! …すごっ!! 写真の人物が振り向いて微笑んでます! でも…よく見ると、奥にいる人の指が6本あるような…?

ふむ、鋭いな。AI動画生成では、細かい部分(指、文字、背景の整合性)がたまにおかしくなることがある。これを「ハルシネーション(幻覚)」と呼ぶ。
【チェックの鉄則】
- 必ずプレビュー確認:生成された動画は、必ず一度再生して「不自然な点」がないかチェックする。
- 再生成(Regenerate)を恐れない:気に入らなければ、もう一度同じプロンプトで生成ボタンを押す。AIは毎回違う結果を出してくるから、何度か試すのが「当たり前」なんじゃ。
第4章:これで完璧! 明日から使える3つの活用アイデア
指の数も直りました! 静止画が動くだけで、こんなにリッチな感じになるんですね。他にもおすすめの使い方ってありますか?

うむ、ビジネスシーンで役立つ「Veo 3」活用術ベスト3を伝授しよう。
- 商品画像の360度ビュー化:
商品の写真をアップし、「商品が回転して、質感がわかるようにライトが当たる」と指示する。これだけで、ECサイトのようなリッチな商品紹介動画が作れる。
- マニュアル動画の「手元」再現:
キーボードを叩く手元の写真をアップし、「指が動いてタイピングしている」と指示する。実際に撮影しなくても、操作イメージ動画が完成じゃ。
- イベントの臨場感アップ:
無人のイベント会場の写真に、「たくさんの来場者が歩き回り、賑わっている」と指示して人物を合成する。企画書のイメージ映像として説得力が倍増するぞ。
すごい…! 私、ただの「動画編集ツール」だと思ってましたけど、これって「クリエイター」を雇うのと同じくらい強力な機能なんですね。

その通り! ただし、AIはあくまで道具じゃ。「何を伝えたいか」という企画や構成を考えるのは、ミマワリ君、君の仕事じゃよ。さあ、新しいVidsを使って、最高の採用動画を完成させるんじゃ!
はい! 博士、ありがとうございました! 早速、さっき教わったプロンプトで、社長がめっちゃかっこよく歩いてくる動画を作ってみます!(笑)
