アオウル博士: ITとセキュリティの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。
ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCやスマホは毎日使うけど、たまにツールがうまく使えず困ってしまう。

2025年11月、Google MeetのAI議事録機能「Take notes for me(代わりにメモをとる)」に、待望のアップデートが来ました。それは**「要約の長さを調整できる」**という機能です。しかし、リリース直後から「ニュースで見たあのボタンがない!」「どこで設定するの?」という迷子の声がSNSや社内で多発しています。今回は、この新機能が表示されない原因と、確実に表示させるための解決策を博士が解説します。
博士、ちょっと聞いてくださいよ! 今週のアップデートで、Google Meetの議事録を「短く」したり「詳しく」したり選べるようになったって聞いたんです。それで、今日の定例会議でさっそく使おうと思ったのに…ボタンがないんです! どこにも! 私のGoogle Meetだけ古いままなんですか!?

落ち着くのじゃ、ミマワリ君。君のPCが古いわけではないぞ。Google Workspaceの新機能、特にAI周りの機能は、いくつかの条件が揃わないと表示されない「隠し扉」のような性質があるんじゃ。
「要約の長さ調整(Summary length control)」が見当たらない原因は、大きく分けて3つ考えられる。順番にチェックしていくぞ。
第1章:そもそも「長さ調整」って何ができるの?
トラブルシューティングの前に、まずはこの機能の正体を知っておこう。これまでのAI議事録は、長さが「おまかせ」一択じゃった。しかし、読む人によって欲しい情報は違うじゃろう?
- Brief(簡潔): 忙しい役員向け。決定事項とネクストアクションだけを箇条書きにする。
- Standard(標準): 従来の長さ。全体の流れをバランスよく要約する。
- Detailed(詳細): 現場担当者向け。誰がどんな発言をしたか、議論の経緯まで細かく残す。
これを会議中や会議後にワンクリックで切り替えられるのが、今回の新機能じゃ。
そう! それなんです! 上司には「短くまとめろ」って言われるし、後輩には「詳しく教えて」って言われるし、板挟みの私を救う神機能なんです! だから早く出したいんです!

第2章:原因① 言語設定の「落とし穴」
一番多い原因がこれじゃ。ミマワリ君、Google Meetの「会議の言語」設定はどうなっておる?
え? もちろん日本語ですよ。だって日本人同士の会議ですし。

それが原因じゃ! 残念ながら、11月17日時点で、この新機能は「英語(米国)の会議」でのみ先行リリースされているんじゃ。
Googleの最新AI機能は、まず英語で始まり、数ヶ月遅れて日本語に対応するのが通例じゃ。会議の言語設定を「English (US)」にしないと、そもそもオプションが表示されない仕様なんじゃよ。
ガーン!! じゃあ、日本語の会議で「短くまとめて」ってお願いするのは、まだ無理ってことですか?

ボタンによる自動設定はまだじゃな。ただし、諦めるのは早いぞ。第4章で紹介する「裏ワザ」を使えば、日本語でも似たことはできる。
第3章:原因② ライセンスと設定の壁
言語以外にも、そもそも機能が使えないケースがある。以下のチェックリストを確認するんじゃ。
✅ 必須チェックリスト
- ライセンスはあるか?
この機能は「Gemini Enterprise」「Gemini Business」または「AI Meetings and Messaging」というアドオン契約が必要じゃ。無料版や基本プランだけでは使えんぞ。
- PCでアクセスしているか?
現時点では、この詳細設定はパソコン(ブラウザ版)でのみ表示されることが多い。スマホアプリでは設定項目が出ない場合がある。
- 管理者が許可しているか?
会社の管理コンソールで「Geminiの利用」がONになっていないと、全社員が使えない状態になる。
うちは会社で「Gemini Enterprise」を入れてもらってるから、ライセンスは大丈夫なはず…。やっぱり「日本語」だからダメだったんですね。

第4章:ボタンがなくても大丈夫! 日本語会議での「裏ワザ」
そう、日本語環境ではまだ専用ボタンは出ない。だがミマワリ君、Geminiは「対話型AI」だということを忘れておらんか? ボタンがなければ、口(チャット)で頼めばいいんじゃ!
えっ? どういうことですか?

会議が終わった後、生成された議事録(Googleドキュメント)を開くじゃろう? そこにいる「Gemini」のサイドパネルを開いて、こう入力するんじゃ。
【長さ調整の魔法のプロンプト】
「この議事録の内容を、決定事項を中心に箇条書きで短くまとめてください」
「この会議の発言内容を、もっと詳細に時系列で教えてください」
これで、実質的に「Brief」や「Detailed」と同じ結果が得られる。専用ボタンはあくまで「ショートカット」に過ぎない。AIへの指示出し(プロンプト)さえできれば、今すぐ日本語会議でも自由自在じゃよ。
なるほど! ボタンがないなら言葉で言えばいいんですね。それなら私にもできます! 上司には「短く」、後輩には「詳しく」、Geminiにお願いして出し分けます!

その応用力が大事じゃ。新機能のボタンがなくても、工夫次第でAIは使いこなせる。日本語版の正式対応を待ちつつ、まずは「対話」で乗り切るんじゃよ。