Google共有ドライブの権限設定、「面倒だから全員『管理者』で…」は超危険!情報漏洩を防ぎつつ、業務効率も上げる「最強の権限設定」を専門家が会話形式で徹底解説。5つの権限レベルの使い分けから、具体的な部署・プロジェクト別の設定例、上級者向けの秘訣まで、あなたの会社の情報資産を守る答えがここにあります。
博士、助けてください!全社でGoogleの共有ドライブを使い始めたのはいいんですが、今、大混乱なんです!「重要なファイルが編集できない!」って怒る人もいれば、「機密情報なのに誰でも見れるのは怖い!」って心配する人もいて…。板挟みでどうしたらいいか…。

ほっほっほ。ミマワリ君、それはどの会社も必ず通る道じゃよ。コラボレーションツールにおける永遠の課題、「セキュリティ」と「利便性」の綱引きじゃな。便利さを求めればセキュリティが甘くなり、セキュリティを固めすぎれば不便で誰も使わなくなる。
まさにそれです!「じゃあ、どうすれば…?」って途方に暮れてます。何か、みんなが納得するような「ちょうどいい」設定方法ってないんでしょうか?

もちろんあるとも。その「ちょうどいい」バランスを見つけるのが、情報管理担当者の腕の見せ所じゃ。そのためには、まず敵…いや、共有ドライブの「権限」というものを正確に理解する必要がある。今日はワシが、安全かつ効率的な「共有ドライブ権限設定の黄金律」を、基礎から応用までみっちり教えよう!
ステップ1:基本の「き」!5つの権限レベルを完璧に理解する
権限レベル…。「管理者」とか「投稿者」とか、いくつか種類があるのは知ってるんですけど、正直、どれがどう違うのかフワッとしてます…。

うむ。すべての基本はここからじゃ。共有ドライブの権限は、大きく分けて5段階ある。これをレストランの役割に例えてみると分かりやすいぞ。
共有ドライブ権限レベル解説(レストラン編)
① 管理者 (マネージャー)
できること:全権能。メンバーの追加・削除、権限変更、ファイルの完全削除、そして共有ドライブ自体の削除まで可能。
例えるなら:「オーナー」。店のすべてを決めることができ、店を畳むこと(ドライブ削除)もできる最強の権限。
② コンテンツ管理者 (コンテンツマネージャー)
できること:ファイルの追加、編集、移動、削除が可能。
例えるなら:「料理長」。厨房の食材(ファイル)を自由に追加、調理(編集)、別の皿に移動したり、使い切って捨てる(削除)ことができる。
③ 投稿者 (コントリビューター)
できること:ファイルの追加、編集はできるが、移動や削除はできない。
例えるなら:「調理スタッフ」。新しい食材を追加したり、調理(編集)はできるが、勝手に食材を捨てたり(削除)、厨房のレイアウトを変える(移動)ことはできない。
④ 閲覧者(コメント可) (コメンター)
できること:ファイルの閲覧とコメントの追加ができる。
例えるなら:「グルメ評論家」。料理(ファイル)を見て味わう(閲覧)ことはできる。そして「もう少し塩を…」と感想(コメント)を言うことはできるが、料理には一切手を出せない。
⑤ 閲覧者 (ビュワー)
できること:ファイルの閲覧のみ。
例えるなら:「一般のお客様」。メニュー(ファイル)を見ることはできるが、それ以上は何もできない。
レストランの例え、すっごく分かりやすいです!特に「コンテンツ管理者」と「投稿者」の違いがよくわかってなかったんです。「削除できるかできないか」が大きな違いなんですね!

その通り!多くのトラブルは、この「削除権限」を誰に与えるかで防ぐことができる。この違いを理解しただけで、君はもう初心者卒業じゃ。
ステップ2:安全と便利を両立する「権限設定の黄金律」
権限の違いは分かりました!じゃあ、次に誰にどの権限を割り当てれば、みんながハッピーになれるんでしょうか?その「黄金律」とやらを教えてください!

うむ。黄金律は、セキュリティの基本原則である「最小権限の法則」に基づいている。これは「ユーザーには、業務に必要な最低限の権限しか与えない」という考え方じゃ。
これを踏まえた上で、ワシが推奨する設定の基本形はこうじゃ。
- 【管理者】:2〜3名に限定する。
部署の責任者と、IT管理者のようなシステム担当者じゃな。1人だけだと、その人が不在の時に誰も管理できなくなるので、必ず複数人設定すること。しかし、多すぎてはいかん。共有ドライブを削除できる最強権限であることを忘れるでないぞ。 - 【コンテンツ管理者】:各チームのリーダー格に。
ファイルの整理や古い情報の削除など、ドライブ内の「整理整頓」を任せられる人に限定する。メンバー全員に与えるのはリスクが高い。 - 【投稿者】:一般メンバーは、まずコレ!
これが黄金律のキモじゃ!日常業務でファイルの追加や編集はするが、削除や移動はしない…という大多数のメンバーには、この「投稿者」権限を与えるんじゃ。これにより、「うっかり重要ファイルを消してしまった!」という最も多い事故を未然に防ぎつつ、日々の業務はスムーズに行える。利便性と安全性の最高のバランスポイントがここにある。 - 【閲覧者(コメント可)/閲覧者】:関係部署や全社共有に。
直接編集はしないが、内容を確認したりフィードバックしたりする必要がある他部署のメンバーや、全社員に見てほしい情報(社内規定など)に使うんじゃ。
なるほど!「一般メンバーは投稿者」が基本なんですね!今までは面倒で、ついメンバー全員を「コンテンツ管理者」にしちゃってました…。だから、誰かが間違ってフォルダごと動かしたりして、ファイルが迷子になる事件が多発してたのかも…。

ステップ3:ケース別!具体的な設定例を見てみよう
うむ。理屈がわかったところで、次は実践じゃ。共有ドライブの使われ方に応じた、具体的な設定例をいくつか見ていこう。
ケース①:「営業部」のような部署単位の共有ドライブ
- 管理者:営業部長、IT管理者
- コンテンツ管理者:各営業チームのリーダー
- 投稿者:営業部の全メンバー
- 閲覧者:経理部(請求関連の情報を確認するため)、マーケティング部(販促資料の共有のため)
これが最も基本的な形じゃな。部署のメンバーは自由に作業できるが、フォルダ構成などを勝手に変えることはできない。安全な運用が可能じゃ。
ケース②:「新商品開発プロジェクト」のような期限付きの共有ドライブ
- 管理者:プロジェクトマネージャー、IT管理者
- コンテンツ管理者:各部署から選出されたコアメンバー(開発、マーケ、営業など)
- 投稿者:プロジェクトに参加する全メンバー
- 閲覧者(コメント可):役員やアドバイザー(進捗報告へのフィードバックをもらうため)
部署を横断するプロジェクトでは、誰がファイルの整理役かを明確にすることが重要じゃ。また、プロジェクト終了後は、この共有ドライブをアーカイブ(閲覧専用にするなど)するルールも決めておくと良いじゃろう。
ケース③:「社内規定・各種申請書」のような全社公開用の共有ドライブ
- 管理者:人事部長、総務部長、IT管理者
- コンテンツ管理者:人事・総務の担当者数名
- 投稿者:なし!
- 閲覧者:全社員
このケースでは、情報を更新する担当者以外は、誰もファイルを追加・編集できてはならん。したがって「投稿者」は存在しないのが正解じゃ。全社員は見るだけ。情報の鮮度と正確性を保つための、鉄壁の守りじゃな。
ステップ4:脱・初心者!管理を劇的に楽にする上級テクニック
具体的な設定例、すごく参考になります!これなら、うちの会社のドライブも整理できそうです!ちなみに、もっと管理が楽になるような、裏技みたいなものってありますか?

ふっふっふ。よくぞ聞いてくれた。基本を押さえた君に、管理効率を5倍にする秘伝の技を授けよう。
上級技①:メンバー管理は「Googleグループ」で行う
これが最強の技じゃ。メンバーを一人ひとり追加するのではなく、「sales@example.com」のようなGoogleグループを作成し、そのグループを共有ドライブのメンバーとして追加するんじゃ。人の異動や退職があった場合、共有ドライブの設定をいじる必要はない。Googleグループのメンバーを更新するだけで、すべてのアクセス権が自動で最新になる。メンバーが数十人、数百人となる大規模なドライブでは必須のテクニックじゃぞ。
上級技②:フォルダ単位での権限強化
共有ドライブの基本は、ドライブ全体で同じ権限を適用することじゃが、例外も設定できる。ドライブ内にある特定のフォルダだけ、権限をさらに厳しくすることができるんじゃ。「営業部」ドライブは全員「投稿者」だが、その中の「契約書控え」フォルダだけは、リーダー以外は「閲覧者」にするといった使い方ができる。ただし、元の権限より緩くはできないぞ。
上級技③:共有設定をロックする
共有ドライブの設定画面には、「この共有ドライブ内のファイルを組織外のユーザーと共有することを許可する」といったチェックボックスがある。機密情報を扱うドライブでは、ここのチェックを外し、意図しない外部への情報共有をシステム的に禁止することが重要じゃ。また、「閲覧者」によるファイルのダウンロードや印刷、コピーを禁止する設定も可能じゃ。
Googleグループを使う方法は目からウロコです!異動のたびに、たくさんの共有ドライブの設定を変更するのが本当に大変だったので…!これなら管理者の負担が劇的に減りますね!

そうじゃろう。良い仕組みとは、安全なだけでなく、管理が楽で長続きするものでなくてはならんのじゃ。さあ、ミマワリ君。今日学んだことを活かして、君の会社に安全で快適な情報共有の基盤を築いておくれ。権限設定は、会社の情報資産を守るための「鍵」であることを、決して忘れるでないぞ。