Gmailの保護強化(COOP)

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登場人物

アオウル博士: ITとセキュリティの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。

ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCやスマホは毎日使うけど、セキュリティはちょっと苦手。

Google WorkspaceがAIで便利になる裏で、セキュリティ設定も進化。あなたのGmailは「COOP」で守られていますか?ドライブの「検索ログ」で情報漏洩の兆候を掴んでいますか?「知らなかった」では済まされない管理者の責任と、今すぐ確認すべき設定を博士とミマワリが会話形式で徹底解説します。

博士~!最近、Google WorkspaceのGemini(AI)がすごすぎます!会議の議事録は自動で要約してくれるし、スプレッドシートの分析もあっという間。本当に仕事が楽になりました!

ミマワリ

アオウル博士

うむ、ミマワリ君。AIによる利便性の向上は素晴らしいことじゃ。じゃが、光が強くなれば、そのぶん影も濃くなるもの。利便性とセキュリティは、常に表裏一体なんじゃよ。

えっ、影…ですか?たしかに、AIが何でもできるようになると、悪いことに使う人もいそうでちょっと怖いですけど…。

ミマワリ

アオウル博士

その通り!まさに今、Google Workspaceの管理者が「知らなかった」では済まされない、重要なセキュリティアップデートが2つも適用されておるんじゃ。今日はその「警告」とも言える2つのアップデートについて、じっくり解説しよう。

第1章:【警告①】Gmailの「覗き見」を防ぐ新常識 “COOP” とは?

博士、まず一つ目の「COOP」って何ですか?コープ…?あの、スーパーマーケットのことですか?

ミマワリ

アオウル博士

はっはっは、それも食料品を守る大事な仕組みじゃが、ITのCOOPは別物じゃ。「Cross-Origin-Opener-Policy」の略で、日本語に訳すと「クロスオリジンオープナーポリシー」じゃな。

うわー…名前からして難しそう…。僕たちに関係ある話なんですか?

ミマワリ

アオウル博士

大ありじゃ!これは、君が毎日使っているGmailを「覗き見」から守るための、非常に重要なセキュリティ強化なんじゃ。

想像してみたまえ。ミマワリ君がブラウザで「A」というタブでGmailを開いて仕事をしている。

次に、調べ物で「B」というタブで怪しい情報サイトを開いてしまった。そのサイトのリンクをポチッとクリックすると、「C」という新しいタブ(ポップアップウィンドウ)が開いた。

この時、もしCOOPという仕組みがなかったら…。悪意ある「C」のタブが、親である「B」のタブを経由して、なんの関係もない「A」のタブ(Gmail)に命令を送り、「お前のメール一覧の情報をこっちに送れ!」とすることが技術的に可能じゃった。これが「XS-Search」と呼ばれる攻撃手法の一つじゃ。

ひえぇぇ!怖い!ただサイトを見ただけで、Gmailの中身が盗まれちゃう可能性があるってことですか!?

ミマワリ

アオウル博士

その通り。例えるなら、カフェで大事な手帳(Gmail)を開いていたら、隣の席の怪しい人(Bのタブ)が連れてきた仲間(Cのタブ)に、君の手帳を横から覗き見させるようなもんじゃ。

そこで「COOP」の登場じゃ!

COOPは、ブラウザのルールとして「そのタブは、どこの出身(オリジン)ですか?」を厳格にチェックする仕組みじゃ。Gmail(https://www.google.com/search?q=google.com)は「https://www.google.com/search?q=%E7%A7%81%E3%81%AFgoogle.com出身です」と宣言する。

そして、Googleは今回、「https://www.google.com/search?q=google.com出身じゃないヤツ(=クロスオリジン)が開いたタブ(C)からは、絶対にGmail(A)に干渉させない!」という設定(COOP)を、GmailやドライブなどのWorkspaceサービス全体で強力に適用したんじゃ。

これにより、さっきのカフェの例で言えば、君の席(Gmail)の周りに「関係者以外、覗き見厳禁」という頑丈な仕切りが立ったようなもの。これで、怪しいサイト(BやC)からGmailが覗き見される脅威が、根本から断ち切られたわけじゃ。

おおー!それは安心!Googleさん、ありがとう!…ってことは、僕たちユーザーは特に何もしなくていいってことですよね?

ミマワリ

アオウル博士

ミマワリ君のような一般ユーザーは、そうじゃ。むしろ、何もしなくてもセキュリティが上がったんじゃから、喜ばしいことじゃ。

【警告】じゃが、問題は「管理者」なんじゃ。

このCOOP強化によって、もし会社が「古い自社開発のWebシステム」や「特殊な連携ツール」を使っていて、それがGmailやドライブと連携していた場合、その「仕切り」のせいで「関係者なのに弾かれてしまう」=システムが正常に動かなくなる可能性がゼロではない。

「最近、あのボタンが反応しないな」と思っていたら、原因がこのCOOP強化だった…ということがあり得る。だからこそ、管理者(や情報システム部門)は、自社で利用中のシステムがこの新しいセキュリティポリシー(COOP)の影響を受けていないか、今すぐ確認する必要があるんじゃ。これぞ「知らなかった」では済まされない、管理者の責任じゃよ。

第2章:【警告②】「検索ログ」が暴く情報漏洩の”兆候”

なるほど…。COOPは管理者さんの確認が大事なんですね。では、博士、もう一つの「警告」は何ですか?

ミマワリ

アオウル博士

うむ。それは、Googleドライブの「検索ログ」の強化じゃ。

検索ログ…?Google検索の履歴みたいなものですか?僕が「おいしいラーメン」って調べたのが会社にバレちゃうとか!?

ミマワリ

アオウル博士

違う、違う。インターネットの検索履歴ではない。ミマワリ君が会社の「Googleドライブの中」で、ファイルを探すために検索窓に入力したキーワード、その履歴のことじゃ。

今回のアップデートで、「いつ」「どの社員が」「どのIPアドレスから」「どんなキーワードで」社内のドライブを検索したか。

そして、その検索結果として「どのファイルがヒットしたか」まで、すべてが管理者のログ(記録)に残るようになったんじゃ。

えええええ!それって、サボってないか監視されてるみたいで、なんだか息苦しいです…。『昨日の会議の資料』って探したのも全部見られちゃうんですか?

ミマワリ

アオウル博士

ミマワリ君、落ち着きなさい。この機能の目的は「監視」ではない。「監査(Audit)」と「セキュリティの強化」のためじゃ。

考えてもみたまえ。情報漏洩は、ファイルが外部に持ち出された(ダウンロードされた、メールで送られた)時に初めて発覚する、と思っとらんか?

しかし、本当の脅威は、その「準備段階」にある。

例えば、近々退職する予定の社員Aさんがおったとしよう。

【これまでの課題(Before)】

Aさんが自分のPCからドライブで「顧客リスト_全社」や「人事評価_2025」「極秘_新製品情報」といった、自分の業務とは関係ない機密情報を検索して、閲覧していたとしても…。

そのファイルをダウンロードしたり、外部に共有したりしない限り、Aさんが「機密情報を探っていた」という“不審な行動”そのものを管理者が察知するのは困難じゃった。

【新しいログ機能(After)】

Aさんが「顧客リスト」と検索したログが残る。さらに「人事評価」と検索したログも残る。管理者は、このログを見ることで、「Aさんは、なぜ自分の担当外の情報を、こんなに頻繁に検索しているんだ?」と、情報漏洩が発生する“前”の「兆候」を掴むことができるんじゃ!

なるほど!悪いことをしようとする人の「下調べ」の段階で気づけるってことですね!それはすごい!

でも博士、社員が何百人もいたら、ログの量が膨大すぎて、結局誰もチェックしなくなりませんか…?

ミマワリ

アオウル博士

まさにそこが、今回の【警告】の核心じゃ!

ミマワリ君の言う通り、ログが「取れる」だけでは意味がない。ログを「活用」してこそ意味がある。

Google Workspaceの管理機能(管理コンソール)では、このログに対して「アラート(警告)」を設定できるんじゃ。

例えば、管理者は「もし、”機密”、”マル秘”、”顧客リスト”、”給与” というキーワードがドライブで検索されたら、即座に管理者にメールで通知する」というルールを設定できる。

これは、火災報知器と同じじゃ。普段は静かじゃが、煙(=不審な検索)を感知したら、即座にベルを鳴らしてくれる。ミマワリ君の「昨日の会議の資料」という検索ではベルは鳴らんが、Aさんの「顧客リスト」という検索ではベルが鳴る。

これが「便利になった」と同時に「管理責任も増えている」ということの正体じゃ。Googleは「火災報知器(ログ機能)」を設置してくれた。しかし、どのキーワードでベルを鳴らすか、ベルが鳴った時に誰が駆けつけるかを決めるのは、会社(管理者)の責任なんじゃよ。

第3章:結論:「知らなかった」では済まされない管理者の責任

うーん、深い話ですね…。AIで便利になるのは嬉しいけど、その裏側では、僕たちを守るためにセキュリティが強化されていて、それを運用する管理者さんは、もっと大変になってるってことなんですね。

ミマワリ

アオウル博士

その通りじゃ!今日のまとめじゃ。

  • 警告① COOP(Gmail保護強化):

    一般ユーザーはより安全になった。しかし管理者は、この影響で自社の古いシステムが動かなくなっていないか、「確認する責任」がある。

  • 警告② 検索ログ(ドライブ監査強化):

    情報漏洩の「兆候」を掴めるようになった。しかし管理者は、どんなキーワードを監視し、アラートが鳴ったらどう対応するか、ルールを「設計・運用する責任」がある。

AI(Gemini)という強力なエンジンを手に入れた我々は、同時に、より高度な安全装置(COOP)と監視カメラ(検索ログ)も手に入れたんじゃ。

これらの新しいセキュリティ機能を「知らなかった」「設定していなかった」では、万が一事故が起きた時に、会社として大きな責任を問われかねん。ミマワリ君も、便利なAIの恩恵を受ける一員として、こうした裏側の仕組みや、管理者さんの努力にも目を向けておくことが大事なんじゃよ。

はいっ!ただ便利がるだけじゃなくて、セキュリティ意識を高く持つようにします!博士、今日もありがとうございました!

ミマワリ

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