アオウル博士: ITとセキュリティの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。
ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCやスマホは毎日使うけど、たまにツールがうまく使えず困ってしまう。

チームでの業務に欠かせない「Excelの共同編集」。しかし、複数人で触っていると「入力した文字が消えた」「画面が固まって動かない」「誰かがフィルタをかけてデータが見えなくなった」といったトラブルが後を絶ちません。実はその原因の多くは、ネット回線ではなく「使うツールの混在」にあるのです。快適なサクサク編集を取り戻すための秘策を、アオウル博士が解き明かします。
博士、助けてください! 今、チーム全員で売上管理表を更新しているんですが、Excelがめちゃくちゃ重いんです! 入力しても数秒固まるし、さっき入力したはずの数字が消えちゃって…。これじゃ仕事になりません!


ふむ、それは「共同編集の渋滞」が起きておるな。ミマワリ君、そのExcelファイルを開いているメンバーの中に、「ブラウザ(Web版)」で開いている人と、「デスクトップアプリ(インストール版)」で開いている人が混ざっていないか?
えっと…確認してみます。あ、佐藤さんはChromeで開いてて、僕はいつものExcelアプリで開いてます。これがいけないんですか? どっちも同じExcelですよね?


そこが大きな落とし穴じゃ! 見た目は似ていても、裏側の仕組みは全く別物なんじゃよ。今日はその「重さ」の正体と、サクサク動かすための解決策を詳しく教えよう。
第1章:なぜ重くなる? 「ブラウザ」vs「アプリ」の通信戦争
具体的に何が起きているんですか? ネット回線が遅いわけじゃないのに。


原因は「同期タイミングのズレ」じゃ。共同編集の仕組みを簡単に説明すると、誰かの変更をサーバーに送り、それを全員に配るというキャッチボールをしておる。
① ブラウザ版(Excel for Web)
常にサーバーと直結しており、非常に細かい頻度で「リアルタイム」に通信を行う。軽快だが、複雑な処理は苦手じゃ。
② デスクトップ版(Excelアプリ)
PCのパワーを使って高度な計算やマクロ処理を行う。通信は定期的にまとめて行う傾向があるため、ブラウザ版との間に「タイムラグ」が生じやすい。
この2つが混ざると、サーバー側で「アプリ版からの大きな変更」と「ブラウザ版からの細かな変更」を交通整理するのに時間がかかり、結果として全員の画面で「応答なし」や「同期中」の待機時間が発生してしまうのじゃ。
第2章:最大の犯人は「フィルタ」! 画面が勝手に変わる怪奇現象
そういえば、僕が入力しようとしたら急に行が消えたり、並び順が変わったりして、「あれ?どこいった?」ってなることがよくあります。


それは誰かが「フィルタ」や「並べ替え」をしたからじゃ。通常の設定では、一人の操作が全員の画面に強制反映されてしまう。誰かが「完了分」を非表示にしたら、ミマワリ君の画面でも突然その行が消えるわけじゃ。
この「画面の書き換え処理」が全員のPCに走るため、人数が増えるほど動作は劇的に重くなる。これがラグの最大の原因と言っても過言ではない。
第3章:これで解決! 「シートビュー」と運用ルール
えぇ…じゃあ共同編集でフィルタは禁止ってことですか? そんなの不便すぎます!


安心せい。ここで使うべき神機能が「シートビュー」じゃ! これを使えば、自分だけのフィルタ画面を作ることができる。
解決策①:「シートビュー」を使う
「表示」タブにある「新規」をクリックすると、画面の枠が黒くなる。この状態なら、いくら並べ替えようがフィルタをかけようが、他の人の画面には影響しない。全員が「シートビュー」を使えば、負荷は激減するぞ。
解決策②:編集ツールを統一する
可能であれば、同時編集する時間は「全員ブラウザ版を使う」と決めるのがベストじゃ。ブラウザ版同士なら同期ロジックが一致しているため、最もトラブルが少ない。
解決策③:不要な装飾を削除する
条件付き書式、複雑な数式、オブジェクト(図形)が大量にあると、同期データ量が膨れ上がる。共同編集用シートは「データ入力専用」と割り切り、装飾は最小限にするのが鉄則じゃ。
「シートビュー」…初めて知りました! 黒い枠になったら「自分専用モード」ってことですね。これなら佐藤さんがフィルタをかけても僕の画面は平和なままだ!


その通り。特に年末や月末の締め作業でみんなが一斉にアクセスするときこそ、この知識が身を助ける。道具は使い方次第で毒にも薬にもなる。賢く使って、快適な共同編集ライフを送るんじゃ!















