アオウル博士: ITとセキュリティの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。
ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCやスマホは毎日使うけど、たまにツールがうまく使えず困ってしまう。

博士、ちょっとこれ見てください!Googleから出た新しいブラウザ「Disco」をインストールしてみたんですけど…壊れてるかもしれません!

おや、ミマワリ君。いきなり「壊れている」とは穏やかじゃないな。画面が真っ暗にでもなったのかね?
逆です!「検索バー」がないんです!ただ真ん中にキラキラした丸いアイコンがあるだけで…。いつもみたいに「美味しいカレー屋 渋谷」って打ち込みたいのに、どこに入力すればいいのか分からなくて。

ふぉっふぉっふぉ。それは壊れているのではない。「進化」したのじゃよ。Googleが新たに世に放ったAIブラウザ「Disco」は、これまでの「検索」という概念を根本から覆すツールじゃ。君が探している検索バーは、もう過去の遺物になりつつあるのかもしれんぞ。
第1章:「検索」から「体験」へ。Discoの衝撃的なコンセプト
検索バーが遺物って…じゃあ、どうやって情報を探せばいいんですか?

これまでのWebブラウザ(Chromeなど)は、「図書館」のようなものじゃった。君がキーワードで検索し、提示された10個の青いリンクの中から、自分で本(Webサイト)を選んで読む。つまり「情報を探す作業」は人間側の仕事じゃった。
しかし「Disco」は違う。「コンシェルジュ」なんじゃ。
コンシェルジュ…?

そうじゃ。Discoに対して「今週末、予算5000円で渋谷で美味しいカレーを食べて、そのあと静かに読書できるカフェに行きたい」と話しかける(入力する)とする。するとDiscoは、検索結果のリストを表示するのではなく、「君のためだけのプランページ」をその場で生成して表示するんじゃ。
- おすすめのカレー屋の予約ボタン
- そこからカフェへの最適な移動ルート地図
- カフェの混雑状況とおすすめメニュー
これらが一つの画面に、まるで最初からそういうWebサイトがあったかのようにレイアウトされて出てくる。これが「検索(Search)ではなく体験(Experience)」ということじゃ。
第2章:Webサイトが形を変える?「Generative UI」の魔法
ええっ!?「最初からそういうサイトがあったように」って、どういうことですか?AIが勝手にWebサイトを作っちゃうってこと?

鋭いな。それを「Generative UI(生成UI)」と呼ぶ。Discoは、ネット上の膨大な情報を読み込み、ユーザーの意図に合わせて情報の見せ方を動的に変えるんじゃ。
例えば「最新のiPhoneとPixelの比較」と聞けば、ただ記事を並べるのではなく、Discoが勝手に「比較表」を作成し、それぞれのメリット・デメリットをまとめた「プレゼン資料」のような画面を生成する。
【Discoができることの例】
- ショッピング:複数のECサイトを横断し、一番安い店と在庫状況をまとめた「自分だけのカート画面」を作る。
- 旅行計画:フライト、ホテル、観光地を組み合わせた「旅のしおり」を生成し、そのまま予約まで完了させる。
- 学習:難しいニュース記事を読み込ませると、「子供向け」や「専門家向け」に要約・図解しなおして表示する。
すごい…!いちいちあちこちのサイトを開いて、タブを何個も開いて比較しなくていいんですね。魔法みたい!

第3章:専門家からの警告。便利さの裏に潜む「3つのリスク」
待つのじゃミマワリ君。確かに便利じゃが、セキュリティの専門家として、手放しで喜べない部分もある。Discoのような「AIエージェント型ブラウザ」には、これまでとは違うリスクが潜んでおるんじゃ。
やっぱり…。博士がそういう顔をする時は、大抵ロクでもないことが起きるんですよね。一体何が危ないんですか?

主に以下の3点じゃ。これを知らずに使うのは、ブレーキのない車に乗るようなものじゃぞ。
リスク①:フィルターバブルの極地
Discoは「君が気に入りそうな情報」を優先して生成する。つまり、君の考えに反する情報や、不都合な真実は、AIが勝手に「ノイズ」として削除してしまう可能性がある。世界が狭まり、偏った情報しか見えなくなる危険性があるんじゃ。
リスク②:ハルシネーション(もっともらしい嘘)
AIは時々、息をするように嘘をつく。Generative UIで「もっともらしく整形された画面」で嘘を表示されたら、人間は見抜くことができるじゃろうか?「存在しない法律」や「誤った医療情報」を、綺麗な図解入りで提示されるかもしれないんじゃ。
リスク③:プライバシーの超・集約
「体験」を最適化するには、Discoは君のことを深く知る必要がある。君の趣味、スケジュール、購入履歴、位置情報…。これらがGoogleのAIに全て握られることになる。もしアカウントが乗っ取られたら? その被害はこれまでの比ではない。
第4章:Disco時代を賢く生き抜くための「付き合い方」
便利だけど怖い…。でも、世の中の流れには逆らえないし、使ってみたい気持ちもあります。どうすれば安全に使えますか?

恐れる必要はない。「主導権」をAIに渡さなければいいんじゃ。以下の3つを約束してくれたまえ。
- 「ソース(情報源)」を必ず確認する:Discoが生成した画面には、必ず引用元のリンクがあるはずじゃ。重要な決定をする時は、AIのまとめだけでなく、必ず元のWebサイトも自分の目で確認するクセをつけること。
- 個人情報の入力は慎重に:「便利だから」といって、クレジットカード番号やパスワードを安易にDiscoに記憶させない。特に、仕事の機密情報をプロンプトに入力するのは厳禁じゃ。
- 「従来の検索」も併用する:Discoだけに頼らず、時には従来のキーワード検索も使って、多角的に情報を集めること。AIが見せてくれない世界があることを忘れてはいけない。
なるほど!AIはあくまで「優秀なアシスタント」であって、最終決定をするのは「人間(僕)」ってことですね。何でもお任せにしないように気をつけます!

その通りじゃ!テクノロジーは使いよう。Discoの「体験」を楽しみつつ、セキュリティの「鍵」はしっかり握っておく。それが2025年のスマートなネットサーフィンじゃよ。