ファイルが人質に!2025年最新ランサムウェア手口「二重脅迫」の恐怖と、企業・個人ができる全対策

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登場人物

アオウル博士: ITとセキュリティの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。口癖は「油断大敵」。

ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCやスマホは毎日使うけど、セキュリティは「自分は大丈夫」と思いがち。

ランサムウェア攻撃を示すロックされたPC画面

「バックアップがあるから大丈夫」はもう古い!2025年最新のランサムウェアは、データを暗号化する前に「盗み出す」二重脅迫が主流です。企業も個人も狙われる最新の手口、侵入経路、そして身代金を払ってはいけない理由を、IT専門家のアオウル博士が徹底解説します。

博士、ニュース見ましたか?また国内の大手企業が「ランサムウェア」にやられたって…。サーバーが全部暗号化されて、業務停止に追い込まれたみたいです。

でも、正直なところ、僕たちみたいな中小企業や個人のPCなんて狙われないですよね? お金も持ってないですし…。

ミマワリ

アオウル博士

【緊急警告】ミマワリ君、その認識が一番危険なんじゃ!それこそが、攻撃者の思うツボ、「認識のギャップ」じゃよ。

今のランサムウェア攻撃は、大企業だけを狙う「一本釣り」じゃない。インターネット全体に網を投げて、かかった魚は大小構わず捕まえる「地引き網」漁に進化しておるんじゃ。

第1章:【ギャップ】「うちは無関係」を打ち破るRaaSの秘密

地引き網…ですか?でも、攻撃するのだってタダじゃないですよね?なんでわざわざ僕みたいな個人のPCを?

ミマワリ

アオウル博士

良い質問じゃ。その背景には、ランサムウェア攻撃の「ビジネスモデル化」がある。それが「RaaS(ラース:Ransomware as a Service)」と呼ばれる仕組みじゃ。

  • RaaSとは?: 高度なランサムウェア(ウイルス)を作る「開発チーム」と、それを実行する「実行チーム」が分業しているんじゃ。
  • どういうこと?: 開発チームは「攻撃ツール」をサブスクリプションで提供し、実行チームはそれを使って手当たり次第に攻撃する。身代金が手に入ったら、開発チームと実行チームで分け合う。

つまり、プログラミング技術のない素人でも、簡単に攻撃者になれてしまう。彼らは自動化ツールでインターネット上の「脆弱なPCやサーバー」を24時間探し続けておる。大企業だろうが中小企業だろうが、穴が見つかれば侵入する。そこに「狙う」という意志すら存在しないケースも多いんじゃよ。

第2章:【ビフォーアフター】「二重脅迫」という最新手口

ひぇ〜…。自動で攻撃してくるなんて…。

でも博士!ランサムウェアって、要はファイルが暗号化される(鍵をかけられる)だけですよね?だったら、ちゃんとバックアップさえ取っておけば、身代金なんて払わずに復元すればいいだけじゃないですか?

ミマワリ

アオウル博士

ミマワリ君、それが数年前までの「古い」手口じゃ。

まさにその「バックアップがあるから大丈夫」という対策を無力化するために生まれたのが、2025年現在の主流手口、「二重脅迫(Double Extortion)」なんじゃ。

ランサムウェア攻撃のビフォーアフターを見てみよう。

Before (従来型)After (2025年最新型)
攻撃フェーズ1侵入 → 即座に暗号化侵入 → データを盗み出す (窃取)
攻撃フェーズ2データを盗み終えてから暗号化
脅迫の内容「データを返してほしければ金を出せ」①「データを返してほしければ金を出せ」

②「盗んだデータを公開されたくなければ金を出せ」

被害者の対策バックアップから復元して終了復元しても「データ漏洩」の事実は消せない

わかるかな?バックアップでデータを復元できても、攻撃者の手には君の会社の顧客情報や、開発中の新製品の設計図、経理データが丸ごと渡ってしまっておる。バックアップは「暗号化」への対策にはなっても、「情報漏洩」への対策にはなっておらんのじゃ。

第3章:【検証】さらに悪質化!「三重・四重脅迫」とは

じょ、情報漏洩…!会社の信用問題に関わりますね…。

バックアップがあっても、結局お金を払わないとデータをネットにバラまかれちゃうってことですか?

ミマワリ

アオウル博士

そういう脅しじゃな。だが、ここで「身代金を払う」という選択は、最悪の一手じゃ。

【警告】なぜ身代金を払ってはいけないのか

  • ①データが戻る保証がない: 攻撃者は犯罪者じゃ。金だけ取ってデータを返さない、あるいは不完全な復号キーを渡すことも多い。
  • ②データ漏洩は防げない: 盗んだデータを攻撃者が本当に削除したか、検証するすべがない。コピーを保持して、後でまた脅してくるかもしれん。
  • ③「カモ」としてリストアップされる: 「この企業は金を払う」と攻撃者グループのリストに載り、将来的に別の攻撃の標的になる。

さらに、攻撃者は脅迫をエスカレートさせておる。これが「三重脅迫」「四重脅迫」じゃ。

  • 三重脅迫: 「金を払わなければ、盗んだデータを使ってお前の会社のWebサイトにDDoS攻撃(サーバーダウン攻撃)を仕掛けて業務を妨害し続ける」と脅す。
  • 四重脅迫: 「金を払わなければ、盗んだ顧客リストを使って、お前の取引先や顧客本人に『お宅の情報が漏洩した』と連絡する」と脅す。

ここまで来ると、単なるデータ復旧の問題ではなく、会社の存続をかけた信用問題になる。これが最新のランサムウェアの本当の恐ろしさなんじゃ。

第4章:【秘密】攻撃者が真っ先に狙う「バックアップ」

もう、やめてください博士…。怖すぎてPC触れなくなりそうです…。

でも、バックアップは意味がないわけじゃないんですよね?盗まれるのは最悪だけど、暗号化されたデータは復元しないと業務が再開できないし…。

ミマワリ

アオウル博士

その通り。バックアップは、業務再開のための「最後の砦」じゃ。だが、ミマワリ君、攻撃者も同じことを考えておる。

攻撃者がネットワークに侵入してから、データを暗号化するまで、数日〜数週間の「潜伏期間」がある。彼らはこの期間に何を仕掛けるか、その「秘密の行動」こそが恐ろしい。

攻撃者の「潜伏期間」の行動リスト

  1. ネットワーク全体を探索し、機密データ(顧客情報、財務情報)を探す。
  2. 見つけた機密データを、外部のサーバーにこっそり転送する(=窃取)。
  3. ネットワークに接続されているバックアップ(NAS、ファイルサーバー、クラウドストレージ)を探し出し、管理者権限を奪って、バックアップデータを先に削除・暗号化する。
  4. (全ての準備が整ったら)全社のPCとサーバーのデータを一斉に暗号化する。

彼らは、被害者に「復元」という選択肢を与えないために、真っ先にバックアップを破壊しにくるんじゃ。これが、「ネットワークから切り離したオフラインバックアップが重要」と言われる理由じゃよ。

第5章:【ランキング】危険な侵入経路トップ3

そんな…。バックアップまで狙われるなんて…。

そもそも、どうやって僕たちの会社やPCに入ってくるんですか?やっぱり怪しいメールですか?

ミマワリ

アオウル博士

それも一つの手口じゃが、今はもっと巧妙じゃ。特に企業が狙われる、2025年最新の「侵入経路トップ3」を発表しよう。

🥇 第1位:VPN機器の脆弱性

リモートワーク(テレワーク)の必需品であるVPN装置。これのファームウェアが古いまま放置されていると、そこが格好の侵入口になる。社員が自宅から安全に接続するための「ドア」が、攻撃者の「入り口」になってしまうんじゃ。

🥈 第2位:リモートデスクトップ(RDP)のパスワード破り

外部から社内のPCを操作できる「リモートデスクトップ」。ここの管理者パスワードが「admin」や「password123」のような簡単なものだと、自動ツールで一瞬で破られて侵入されてしまう。

🥉 第3位:Emotetなどによるフィッシングメール

そして、いまだに強力なのがメールじゃ。取引先になりすまし、パスワード付きZIPファイルでウイルスを送る手口(Emotetなど)でPCを乗っ取り、そこを踏み台にしてネットワーク全体に感染を広げるんじゃ。

最終章:私たちが今すぐやるべき「全」対策

VPNもリモートデスクトップも、全部リモートワークで使ってます…。もう何を信じたらいいか…。

僕たちにできることって、もう何もないんですか?

ミマワリ

アオウル博士

諦めるのは早い!脅威が進化しているなら、我々の防御も進化させれば良いんじゃ。企業と個人、それぞれが「今すぐ」やるべき対策をまとめるぞ。

【企業(組織)が行うべき対策】

  • ①全機器のアップデート徹底: VPN、OS、ウイルス対策ソフト、全てのファームウェアとソフトウェアを「常に最新」に保つ。
  • ②MFA(多要素認証)の必須化: リモートデスクトップやVPNなど、外部からの接続はすべて「ID/パスワード+スマホ認証」など、二重の認証を必須にする。
  • ③「3-2-1ルール」でのバックアップ: データは常に「3つ」コピーし、「2種類」の異なるメディア(例:NASとクラウド)に保存し、そのうち「1つ」はネットワークから完全に切り離した場所(オフライン)に保管する。
  • ④EDRの導入: ウイルスを「侵入させない」従来のアンチウイルス(EPP)だけでなく、万が一「侵入された後」の不審な動きを検知・隔離する「EDR」を導入する。

【個人(私たち)ができる対策】

  • ①パスワードの使い回しを絶対にやめる: サイトごとに違う、複雑なパスワードを設定する(パスワードマネージャーの利用を推奨)。
  • ②「自分は騙されない」という過信を捨てる: 取引先や同僚からのメールであっても、添付ファイルやリンクは一度立ち止まって「本物か?」と疑うクセをつける。
  • ③個人のPC・スマホも最新に: 自宅のPCがウイルスに感染し、それが会社のVPNを通じて社内ネットワークに侵入するケースもある。公私ともにアップデートを徹底する。

なるほど…。会社だけの問題じゃなくて、僕たち一人ひとりの意識も大事なんですね。「バックアップがあるから」じゃなくて、「盗まれるかもしれない」って意識でデータを取り扱います!博士、ありがとうございました!

ミマワリ

アオウル博士

うむ。ランサムウェア攻撃は、もはや「対岸の火事」ではなく、いつ自分の身に降りかかってもおかしくない「サイバー災害」じゃ。技術的な防御と、我々人間の「疑う心」、両方で立ち向かっていくんじゃぞ。

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