Office 2016 / 2019 サポート終了 どうなる

社内コラムニスト
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登場人物

アオウル博士: ITとセキュリティの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。

ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCやスマホは毎日使うけど、セキュリティはちょっと苦手。

Office 2016 / 2019 のサポートが2025年10月14日に終了。使い続けると何が危険?ウイルス感染、情報漏洩、ランサムウェア被害など最悪のシナリオを専門家が徹底解説。Microsoft 365とOffice 2021の比較、移行の注意点まで、今すぐやるべき対策が会話形式でわかります。

博士、大変です!さっき会社のPCでExcelを開いたら、「Office 2019 のサポートは 2025年10月14日に終了しました」っていう警告メッセージが出たんです!僕の部署、まだみんなOffice 2019を使ってるんですけど、これってヤバいですか…?

ミマワリ

アオウル博士

【緊急警告】おお、ミマワリ君!それはまさに一大事じゃ!気づいてすぐに相談してくれて本当に良かった。そのメッセージは、Microsoftからの「あなたのPCは、もう安全ではありませんよ」という、極めて重大な最後通告なんじゃよ!

えぇぇっ!?最後通告!?でも、博士… WordもExcelも、昨日までと変わらず普通に起動して、ファイルも開けるし、編集もできるんです。何がそんなに「ヤバい」んですか?

ミマワリ

アオウル博士

そこが最大の落とし穴なんじゃ。ミマワリ君、「ソフトが起動する」ことと、「そのソフトが安全である」ことは、全く別の話なんじゃよ。まずは、その「サポート終了」が一体何を意味するのか、そこからじっくり解説しよう。

第1章:「サポート終了」とは「防犯サービス終了」である

「ソフトが起動する」と「安全」は別…?うーん、ピンと来ません。サポートが終了すると、何が終わっちゃうんですか?

ミマワリ

アオウル博士

うむ。では分かりやすく「家」で例えてみよう。Officeソフトを「家」だとすると、Microsoftは「警備会社」のようなものじゃ。

サポート期間中(安全な状態)

家の設計に不備(=脆弱性)が見つかったり、新しい手口の泥棒(=ウイルス)が現れたりすると、警備会社(Microsoft)がすぐに駆けつけて、鍵を新しいものに交換したり、防犯センサーを追加したりしてくれる。これが「セキュリティ更新プログラムの提供」じゃ。

サポート終了後(危険な状態)

2025年10月14日をもって、Microsoftは「この家(Office 2016/2019)の警備サービスは終了します」と宣言したんじゃ。家(ソフト)自体はまだ建っておるから、中に入る(起動する)ことはできる。しかし…

  • 新しい鍵(セキュリティ更新)が一切提供されない。
  • 新しい手口の泥棒(ウイルス)が見つかっても、誰も教えてくれないし、対策もしてくれない。

つまり、ミマワリ君の会社は今、「玄関の鍵が壊れているのを承知の上で、防犯サービスも解約し、泥棒(ハッカー)に対して『どうぞご自由にお入りください』とドアを開けっ放しにしている」のと同じ状態なんじゃよ!

ドアを開けっ放し!?そ、それはめちゃくちゃマズイじゃないですか!「脆弱性(ぜいじゃくせい)」って言葉、ニュースで聞いたことありますけど、それが放置されるってことなんですね…。

ミマワリ

アオウル博士

その通り。ハッカーたちは、この「サポートが終了したソフト」を狙い撃ちにするのが大好きなんじゃ。なぜなら、彼らが新しい攻撃方法(=脆弱性を突く手口)を開発しても、Microsoftは二度とそれを塞いでくれないからな。いわば「攻撃し放題のボーナスタイム」に入ったというわけじゃ。

第2章:【警告】使い続けるとどうなる?5つの最悪シナリオ

攻撃し放題…。具体的に、僕のPCや会社はどうなっちゃう可能性があるんですか?「ウイルス対策ソフトを入れてるから大丈夫」ってウチの上司は言ってたんですけど…。

ミマワリ

アオウル博士

その考えが最も危険じゃ!ウイルス対策ソフトは「玄関の警備員」のようなもの。しかし、攻撃者は「窓ガラスの設計ミス(脆弱性)」を知っておる。警備員が玄関を見張っていても、窓から堂々と侵入されてしまっては意味がないじゃろう。

サポート切れのOfficeを使い続けた場合に起こりうる、5つの最悪シナリオを説明しよう。これは決して脅しではない、現実に起こっていることじゃ。

シナリオ①:ウイルス・マルウェア感染

最も基本的で、最も起こりやすい被害じゃ。攻撃者が作った「悪意のあるExcelファイル」をミマワリ君が開いたとしよう。サポート期間中ならOfficeが「このファイルは危険だ!」とブロックしてくれたかもしれん。しかしサポート終了後は、脆弱性を突かれてPCがいとも簡単にウイルスに感染してしまう。

シナリオ②:ランサムウェアによる業務停止

感染するウイルスの中で最も凶悪なのが「ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)」じゃ。これがPCに侵入すると、ミマワリ君が作ったExcelやWord、PowerPointのファイルはもちろん、PC内のあらゆるファイルが勝手に暗号化されて開けなくなってしまう。「ファイルを元に戻したければ、ビットコインで身代金を払え」という脅迫状が表示され、会社の業務は完全にストップじゃ。

シナリオ③:機密情報・顧客情報の漏洩

ウイルスの中には、PC内の情報を盗み出す「スパイウェア」も多い。サポート切れのOfficeの脆弱性を突かれてPCに侵入され、気づかないうちに、社内の機密情報、開発中の新製品データ、そして最も大切な「顧客の個人情報リスト」がごっそり盗み出されてしまう。会社は計り知れない損害賠償を請求されることになるじゃろう。

シナリオ④:取引先への「加害者」になる

これが非常に厄介なんじゃが、ウイルスに感染したミマワリ君のPCは、今度は「攻撃の踏み台」にされてしまう。ミマワリ君のOutlookから、あたかも本人が送ったかのように見せかけて、取引先A社やB社にウイルス付きのメールが自動でばら撒かれてしまうんじゃ。君の会社は「被害者」であると同時に、大切な取引先を攻撃する「加害者」になってしまう。

シナリオ⑤:社会的信用の完全失墜

シナリオ③と④の結果、どうなるか。「顧客情報を漏洩させ、取引先にウイルスをばら撒いた会社」としてニュースやSNSで報道される。会社の信用は地に落ち、築き上げてきたブランドは一瞬で崩壊する。そうなってからでは、もう手遅れなんじゃよ。

ひぃぃ…。ただ「使えるからいいや」と思っていただけで、会社が潰れるほどの危険に晒されていたなんて…。恐ろしすぎます…。今すぐ何とかしないと!

ミマワリ

第3章:なぜ今? Office 2016と2019が「同時終了」した秘密

でも博士、ちょっと不思議に思ったんですけど…。僕のPCは「Office 2019」で、隣の席の先輩は「Office 2016」なんです。発売された年が違うのに、なんでサポート終了日が「2025年10月14日」で同じなんですか?普通、2019のほうが後までサポートしてくれそうなのに…。

ミマワリ

アオウル博士

おお、ミマワリ君、非常に良い点に気づいたな!それこそが、今回のサポート終了が持つ「隠されたメッセージ」なんじゃ。

従来のサポートポリシー(Office 2016まで)

これまでのOfficeは、「メインストリーム サポート(5年間)」と「延長サポート(5年間)」の、合計10年間のサポートが提供されるのが通例じゃった。

  • Office 2016: 2015年発売 → メインストリーム終了(2020年) → 延長サポート終了(2025年10月14日)。これは予定通り「合計10年」じゃ。

Microsoftのポリシー変更(Office 2019)

問題はOffice 2019じゃ。2018年に発売されたにも関わらず、Microsoftは「Office 2019の延長サポートは3年間しか提供しない」と発表したんじゃ。

  • Office 2019: 2018年発売 → メインストリーム終了(2023年) → 延長サポート終了(2025年10月14日)。合計サポート期間が「7年」に短縮されてしまったんじゃ!

その結果、Office 2016と2019の終了日が同じ日になるという、異例の事態が発生したんじゃよ。

えー!ひどい!なんでそんな意地悪みたいなことを…?

ミマワリ

アオウル博士

これは意地悪ではなく、Microsoftの明確な「戦略」なんじゃ。彼らは、「もう『買い切り版(永続ライセンス)』の時代は終わらせたい。これからは『サブスクリプション版(Microsoft 365)』に完全に移行してほしい」という強いメッセージを送っておるんじゃよ。

サポート期間を短くすることで、「どうせ数年でまた買い替え(移行)になるなら、最初から常に最新版が使えるサブスクリプションの方が合理的でしょう?」と、我々の背中を押しているわけじゃな。

第4章:【徹底比較】私たちはどうすればいい?3つの移行先

なるほど…。「サブスクリプション」って、月額とか年額で払うやつですよね。Amazon PrimeとかNetflixみたいな。

もう古いOfficeを使い続けられないのは分かりました。じゃあ、僕の会社はこれからどうしたらいいんでしょうか?選択肢を教えてください!

ミマワリ

アオウル博士

うむ。今、ミマワリ君の会社が選べる道は、大きく分けて3つある。それぞれのメリットとデメリットを、包み隠さず比較検討しよう。

選択肢①:最新の永続版「Office 2021」に買い替える

これは、「Office 2019」と同じ「買い切り」タイプの最新版じゃな。

  • メリット:一度払えば、サポート終了まで追加費用がかからない。インターネットに常時接続していなくても作業がしやすい(※ただし初回認証や更新にはネットが必要)。
  • デメリット:初期費用(PC1台あたり数万円)が一気に発生する。そして最重要なのが、このOffice 2021のサポート期間も、Office 2019同様に非常に短い(2026年10月13日に終了予定)ことじゃ。

選択肢②:サブスクリプション版「Microsoft 365」に切り替える

これがMicrosoftが最も推奨している、月額・年額払いのサービスじゃ。

  • メリット:「サポート終了」という概念がなくなる。契約している限り、常に最新のセキュリティと最新の機能が提供され続ける。Excelの新しい関数や、今話題のAI機能「Copilot」なども使えるようになる。初期費用が安く、月々の経費として処理できる。
  • デメリット:利用し続ける限り、コストが永続的に発生する。インターネット接続がほぼ前提となる。

選択肢③:他社の互換ソフト(Google Workspaceなど)に乗り換える

これは、Microsoftから離れて、Googleのスプレッドシートやドキュメントなどに移行する選択肢じゃ。

  • メリット:Microsoft 365よりコストを抑えられる場合がある。ブラウザベースで動くため、端末を選ばない。
  • デメリット:これまで使っていたExcelやWordと操作感が全く違うため、全社員の再教育コストが膨大にかかる。取引先とExcelファイルでやり取りする際、レイアウトが崩れたり、複雑なマクロや関数が動かなくなったりする「互換性のギャップ」という致命的な問題が発生しやすい。

うわぁ…選択肢③は、ウチみたいにExcelマクロをバリバリ使ってる会社だと現実的じゃないですね…。

となると、①の「Office 2021」か、②の「Microsoft 365」か…。あれ?博士、今サラッと聞き捨てならないことを言いませんでした?Office 2021のサポート終了って、2026年ですって!?

ミマワリ

アオウル博士

その通り!そこが最大の「罠」なんじゃ!

Office 2021は、なんと延長サポートが廃止され、メインストリームサポートの5年間(2021年発売+5年=2026年)ポッキリになってしまったんじゃ!

今(2025年11月)慌ててOffice 2021に大金を払って買い替えても、あと1年も経たないうちに、また同じ「サポート終了問題」に直面することになる。これはもう、賢明な選択とは言えんじゃろう。

第5章:「Microsoft 365」 vs 「Office 2021」最後の検証

ひどい!Office 2021は罠だったなんて…。じゃあ、もう答えは「Microsoft 365」一択ってことですか?

でも、ウチの経理部は「毎月お金が出ていくサブスクは嫌だ。買い切りの方がトータルで安い」って言い張ってるんですよね…。

ミマワリ

アオウル博士

うむ。その「買い切りの方が安い」という考えこそが、ビフォーアフター(導入前と導入後)で最もギャップが生まれるポイントじゃ。経理部を説得するために、最後の「検証」を行おう。

検証①:本当に「コスト」は買い切りが安いか?

確かに、5年、10年という長いスパンで見れば、単純なライセンス費用は買い切りが安くなる「ように見える」。しかし、経理部が見落としている「隠れコスト」があるんじゃ。

  • 買い替えコスト:Office 2021が2026年にサポート終了したら、また新しいOffice(例えば Office 2025)を買わねばならん。その費用(数万円/台)を計算に入れておるか?
  • 管理コスト:買い切り版は、セキュリティパッチの管理や、PCごとのライセンス管理を社内の情シス部門がやらねばならん。その人件費は? Microsoft 365なら、それらは全て自動化・クラウド化される。
  • 機会損失コスト:これが一番大きい。Microsoft 365にはあって、Office 2021には絶対にないもの。それは「生産性を爆上げする最新機能」じゃ。

検証②:「機能」の決定的なギャップ

Office 2021は「2021年時点の機能で固定」された、いわば「化石」じゃ。一方、Microsoft 365は「生き物」のように日々進化する。

  • AI「Copilot」:Microsoft 365なら、Wordに「~の企画書を作って」と頼んだり、Excelに「このデータの傾向を分析して」と指示したりできるAIが使える。Office 2021では絶対に使えん。
  • 最新のExcel関数:複数の条件でデータを抽出する「FILTER関数」や、縦横のデータを一発で並べ替える「UNIQUE関数」など、作業時間を劇的に短縮する関数は、Microsoft 365にしか追加されん。
  • クラウド連携:Teamsでの会議中に、全員で同時に同じPowerPointファイルを編集する…といった、今の時代の働き方に必須の機能は、Microsoft 365の独壇場じゃ。

経理部にはこう言うんじゃ。「目先のライセンス料だけをケチってOffice 2021を選んだ結果、ライバル他社がAIや最新関数で業務を効率化している間、ウチだけが古い機能で残業し続けることになる。その『生産性の差』こそが、最大のコストではないですか?」と。

な、なるほど…。セキュリティが万全になるだけじゃなくて、仕事のやり方自体が進化するんですね!「サポート終了」は、古い働き方を見直すための「チャンス」だったんだ!

ミマワリ

第6章:移行で失敗しないために!「新しいOutlook」の罠

よーし!これで経理部を説得できそうです!早速、Microsoft 365の導入を進めてもらいます!博士、ありがとうございました!

(数日後)

博士、助けてください!Microsoft 365をインストールしたら、Outlook(メールソフト)の見た目が今までと全然違うものになっちゃいました!「新しいOutlook」って書いてあるんですけど、フォルダの場所も違うし、なんか使いにくいです…!

ミマワリ

アオウル博士

おっと、そうじゃった。Microsoft 365への移行期に、今まさに多くの人が戸惑っておる「新しいOutlook」問題じゃな。慌てるでない、これも解決策がある。

ビフォー(従来のOutlook)

Office 2016/2019で使っていた、昔ながらの重厚なメールソフトじゃ。機能は豊富だが、動作が少し遅かったり、設定が複雑じゃったりした。

アフター(新しいOutlook)

今ミマワリ君が見ている、Web版のOutlook(ブラウザで見るメール)に近い、シンプルで軽快なデザインのソフトじゃ。Microsoftは将来的にこちらに一本化しようとしておる。

【緊急対処法】元のOutlookに戻す方法

もし、どうしても業務に支障が出るなら、一時的に元に戻すことも可能じゃ。「新しいOutlook」の画面の右上あたりに、「新しいOutlook」というオン・オフを切り替えるトグルスイッチがあるはずじゃ。それを「オフ」にしてみなさい。

そうすれば、従来のOutlookが再起動して、見慣れた画面に戻るはずじゃ。ただし、これはあくまで一時的な措置。いずれはこの「新しいOutlook」が標準になる。今のうちに少しずつ慣れておくことをお勧めするぞ。

あ!本当だ!右上のスイッチをオフにしたら、見慣れた画面に戻りました!よかったぁ…。でも、博士の言う通り、いつまでも古いままじゃダメですよね。少しずつ新しい方にも慣れていくようにします。

ミマワリ

アオウル博士

うむ、その意気じゃ!「サポート終了」は、一見するとネガティブな「警告」や「危機」に見える。しかし、その本質は「古いやり方を捨て、より安全で、より生産性の高い新しい働き方へシフトしなさい」という、Microsoftからの強力なメッセージなんじゃ。

この「変化のチャンス」を正しく捉え、会社全体でセキュリティ意識とITリテラシーを高めていくこと。それこそが、これからの時代を生き抜くための最強の武器になるんじゃよ。

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