アオウル博士: ITとセキュリティの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。
ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCやスマホは毎日使うけど、たまにツールがうまく使えず困ってしまう。
スプレッドシートの重複データに困っていませんか?顧客リストやアンケート結果が重複だらけで作業が進まない…そんな悩みをIT専門家のアオウル博士が解決!メニューから一瞬で削除する方法と、元のデータを消さずに重複を除外する便利なUNIQUE関数を、会話形式で徹底的に解説。データ整理の効率が劇的にアップするコツがここに。
博士、大変です!今、イベントの参加者リストを整理してるんですけど、同じ人が何回も申し込みをしてるみたいで、データがぐちゃぐちゃなんです…。このままだと、参加記念品を同じ人に2個も3個も送ってしまいます!

おぉ、ミマワリ君、それは困ったのぅ。データの「重複」は、多くの人が直面する悩みの種じゃ。手作業で一つひとつ確認して消していくのは、時間がかかる上にミスも起きやすい。じゃが安心したまえ、スプレッドシートには、この問題を一瞬で解決できる素晴らしい機能が備わっておるぞ。
えっ、本当ですか!?一つひとつ目で見て探すしかないと思って、気が遠くなってました…。ぜひ教えてください!

うむ!重複データを処理する方法は、大きく分けて2つある。一つは元のデータを直接きれいにする「破壊的な方法」、もう一つは元のデータを残したまま、別の場所に重複を除いたリストを作る「非破壊的な方法」じゃ。どちらも一長一短あるから、状況に応じて使い分けるのが賢いやり方じゃよ。
第1章:ボタン一つで即解決!「重複を削除」機能
まずは手っ取り早く、今のぐちゃぐちゃなリストをキレイにしたいです!「破壊的な方法」っていうのが気になりますけど…。

ふふふ、言葉が物々しいだけじゃよ。要するに「元のリストから重複した行を直接消してしまう」という意味じゃ。操作は非常に簡単じゃから、一緒にやってみよう。
ステップ①:データのバックアップを取る
【最重要】この方法は元データを直接変更してしまう。もし操作を間違えた時に元に戻せるよう、必ずシートをコピーしてバックアップを取っておくんじゃ!シートのタブを右クリックして「コピーを作成」を選ぶだけでいい。この一手間が、後で自分を救うことになるぞ。
ステップ②:重複を削除したい範囲を選択する
次に、君がきれいにしたい参加者リストのデータ範囲を、見出し(氏名、メールアドレスなど)も含めて全て選択するんじゃ。A1セルをクリックしてから、Shiftキーを押しながらデータの右下のセルをクリックすると、簡単に全体を選択できるぞ。
ステップ③:「重複を削除」機能を呼び出す
データを選択した状態で、画面上部のメニューバーから [データ] → [データ クリーンアップ] → [重複を削除] の順にクリックする。
ステップ④:重複を判定する列を指定する
すると、「重複を削除」という小さなウィンドウが表示される。ここが一番のポイントじゃ。どの列の情報が一致していたら「重複」とみなすかを、ここで指定するんじゃ。
例えば、ミマワリ君のリストに「氏名」「メールアドレス」「申し込み日時」という列があったとしよう。
- 「メールアドレス」だけにチェックを入れる:同じメールアドレスの申し込みが複数あっても、最初の一つだけを残して、残りは全て削除される。氏名が違っていても、メールアドレスが同じなら重複とみなされる。
- 「氏名」と「メールアドレス」の両方にチェックを入れる:「氏名」と「メールアドレス」が両方とも完全に一致する行だけを重複とみなし、削除する。
なるほど!今回は、同じ人が何回も登録しているケースを整理したいので、「メールアドレス」で判断するのが良さそうですね!同姓同名の別人を消してしまう心配もないですし。
あ、ウィンドウの上に「データにヘッダー行が含まれている」というチェックボックスがありますね。これは何ですか?

良い質問じゃ!それは、選択した範囲の1行目(「氏名」や「メールアドレス」といった項目名)を、データの中身としてではなく「見出し」として扱うための設定じゃ。ここにチェックを入れておかないと、1行目の見出しまでが重複チェックの対象になってしまうから、通常は必ずチェックを入れておくのが正解じゃ。
ステップ⑤:実行して結果を確認する
設定が終わったら、[重複を削除]ボタンをクリック!すると、「〇件の重複する行が見つかり、削除されました。〇件の一意の行が残っています。」というメッセージが表示される。これで、君のリストはすっかりきれいになったはずじゃ。
第2章:元データを守る!賢者の技「UNIQUE関数」
すごい!本当に一瞬で終わりました!これで安心して作業できます。でも博士、さっき言っていた「非破壊的な方法」っていうのは、どういう時に使うんですか?

うむ。それは非常に良い視点じゃ。例えば、「元の申し込みリストは、いつ誰が何回申し込んだかの履歴として全て残しておきたい。でも、景品発送用には重複を除いた純粋な参加者リストが欲しい」というケースがあるじゃろう。そんな時に役立つのがUNIQUE(ユニーク)関数じゃ。
この関数は、元のデータを一切傷つけずに、指定した範囲の中から重複しないデータだけを抽出して、別の場所に表示してくれるんじゃよ。
関数ですか…。なんだか難しそう…。

心配無用!UNIQUE関数は驚くほどシンプルじゃ。基本の形はこれだけじゃ。
=UNIQUE(範囲)
さっそくやってみよう。元の参加者リスト(仮にA列からC列にあるとしよう)の隣のE1セルに、この数式を入力してみるんじゃ。
ステップ①:数式を入力するセルを選ぶ
重複を除いたリストを表示したい場所の、一番左上のセル(例えばE1セル)をクリックする。
ステップ②:UNIQUE関数と範囲を入力する
E1セルに、 =UNIQUE(A1:C100) と入力するんじゃ。A1:C100 の部分は、君の実際のデータ範囲に合わせて調整するんじゃぞ。見出しも含めて範囲指定するのがポイントじゃ。
ステップ③:Enterキーを押す!
数式を入力してEnterキーを押すと…どうじゃ?E1セルから右と下に向かって、重複が除かれたリストが自動的にズラッと表示されたじゃろう!まるで魔法のようじゃな。
うわっ!本当だ!元のリストはそのままなのに、隣にキレイなリストができました!しかも、こっちのほうが簡単なくらいです!
博士、一つ質問です。このUNIQUE関数の一番すごいところって何ですか?

よくぞ聞いてくれた!UNIQUE関数の真価は「自動更新」にあるんじゃ。
試しに、元のリスト(A列〜C列)に、新しい参加者のデータを追加してみてごらん。あるいは、既存のデータを書き換えてもいい。するとどうじゃ?UNIQUE関数で作成したリストも、瞬時に更新されたじゃろう!
つまり、一度設定しておけば、元のデータがどれだけ変更されても、常に最新の重複なしリストを維持してくれる。これはダッシュボードやレポート作成において、絶大な威力を発揮するんじゃ。
第3章:徹底比較!「重複を削除」vs「UNIQUE関数」
なるほどー!どっちの機能もすごく便利ですね。僕みたいな初心者は、どっちをどういう時に使えばいいか、ちょっと迷ってしまいそうです。

よろしい。では最後に、この2つの方法のメリット・デメリットをまとめて、使い分けの指針を示そう。これを理解すれば、君も立派なデータ整理マスターじゃ。
メニュー機能「重複を削除」
✅ メリット:
- 直感的で分かりやすい: メニューから選んでいくだけなので、関数が苦手な人でも迷わず使える。
- 判定列を細かく指定できる: 「メールアドレスだけ」や「氏名と電話番号の組み合わせ」など、どの列を基準に重複を判断するかを柔軟に選べる。
- 元データを直接きれいにできる: 不要なリストが別に作られないため、シートがシンプルに保てる。
❌ デメリット:
- 元データが消える(破壊的): バックアップがないと元に戻せない。操作ミスが許されない。
- 手動での再実行が必要: 元データに新しい重複が追加されたら、その都度、操作をやり直さなければならない。
👉 こんな時におすすめ:
一度きりのデータクレンジング作業。例えば、外部から受け取ったリストを、今後使うために一度だけきれいにする場合など。
UNIQUE関数
✅ メリット:
- 元データを保持できる(非破壊的): 元の生データを履歴として残しておけるので、安全性が高い。
- 自動で更新される: 元データが変更・追加されると、リアルタイムで結果に反映される。
- 他の関数と組み合わせやすい: UNIQUEで抽出したリストを、さらにSORT関数で並べ替えたり、COUNTIF関数で元のリストでの登場回数を数えたりと、応用が効く。
❌ デメリット:
- 判定列を指定できない: 基本的に「行全体が完全に一致しているか」で判断するため、「メールアドレス列だけ見て重複を判断する」といった細かい指定はできない。(※工夫すれば可能じゃが、少し複雑になる)
- 関数に慣れが必要: 初心者には、数式を入力すること自体に少し抵抗があるかもしれん。
👉 こんな時におすすめ:
日々更新されるマスターデータから、常に最新のユニークリスト(顧客一覧、商品マスタなど)を抽出したい場合や、レポート、ダッシュボードを作成する場合。
博士、完璧なまとめです!これなら僕も迷わず使い分けられます。まずは「重複を削除」機能で今のリストをきれいにして、これからはUNIQUE関数で管理するようにしてみます!データの整理って、面倒なだけだと思ってたけど、便利な機能を知るとパズルみたいで面白いですね!

その通りじゃ!ツールを正しく理解すれば、面倒な作業は一瞬で終わり、もっと創造的な仕事に時間を使えるようになる。データの重複は、ほんの入り口にすぎん。スプレッドシートには、まだまだ君の仕事を助けてくれる便利な機能がたくさん眠っておるぞ。また何か困ったことがあったら、いつでも聞きに来なさい。