アオウル博士: ITとセキュリティの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。
ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCやスマホは毎日使うけど、たまにツールがうまく使えず困ってしまう。
PC起動が遅い原因「スタートアップアプリ」とは?PCの電源を入れてから作業を始めるまでの待ち時間は、実は簡単な設定で劇的に短縮できます。専門家の博士が、不要な自動起動アプリを見つけて無効化する3分で終わる手順を、会話形式で優しく徹底解説。メモリ解放で作業効率もアップする秘密のテクニックを伝授します。
【PC高速化】起動が遅い原因は”おもてなし”のしすぎ⁉ スタートアップ設定を見直すだけの劇的改善テクニック
はぁ…博士、聞いてくださいよぉ。毎朝、PCの電源を入れてから実際に仕事が始められるようになるまで、本当に時間がかかるんです。デスクトップ画面は表示されるのに、そこからマウスカーソルがグルグルしたままで…。コーヒーを淹れて、一息ついてもまだ待たされるなんて、もう限界です!

おぉ、ミマワリ君。それは朝の貴重な時間を無駄にしておるのぉ。その症状、PCの動作が重くなる典型的な原因の一つじゃ。おそらく、君のPCは起動時に良かれと思って、たくさんの”おもてなし準備”をしすぎているんじゃろう。
おもてなし準備、ですか?僕、何か特別な設定をした覚えはないんですけど…。

うむ。その名も**「スタートアップアプリ」の罠じゃ。今日はこの正体を暴き、君のPCを新品同様の起動スピードに取り戻す方法を伝授しよう。難しい操作は一切ないから、安心するんじゃぞ。
第1章:「スタートアップアプリ」とは?親切の押し売りだったその正体
スタートアップ…アプリ?名前は聞いたことがあるような、ないような…。一体何者なんですか、そいつは。

うむ。スタートアップアプリとは、簡単に言えば「PCの電源を入れたときに、Windowsと一緒に自動で起動するアプリ」**のことじゃ。レストランに例えるなら、席に着いたら頼んでもいないのに前菜やドリンクが全種類テーブルに並べられるようなものじゃな。
えぇ!?そんなことされたら、メインディッシュを置くスペースがなくなっちゃいますよ!でも、なんでそんなおせっかいな機能があるんですか?勝手に登録されたりするんですか?

良い質問じゃ。スタートアップにアプリが登録される理由はいくつかある。
理由①:アプリ開発者の親切心(のつもり)
チャットツールやクラウドストレージのアプリは、「ユーザーがPCを起動したらすぐに使えるように」という親切心から、インストール時に自動でスタートアップに登録する設定になっていることが多いんじゃ。毎回手動で起動する手間を省くための機能じゃな。
理由②:バックグラウンドで働くため
セキュリティソフトやシステムの更新をチェックするプログラムのように、我々が意識していなくても常にPCを守ったり、最新の状態に保ったりするために、起動時から裏で動き続ける必要があるアプリもあるんじゃ。
理由③:気づかないうちに増えてしまう
新しいアプリをインストールするとき、よく読まずに「次へ」「次へ」とクリックしておらんか?その途中のどこかに「PC起動時に自動で起動する」というチェックボックスがこっそり隠れていて、知らず知らずのうちに自分で許可してしまっているケースが非常に多いんじゃ。
これらの理由で、PCを使えば使うほど、レストランのテーブル(PCのメモリ)の上には、頼んでもいない前菜(スタートアップアプリ)がどんどん増えていってしまうというわけじゃ。
第2章:メモリを無駄遣いするメカニズム
なるほど…。親切だったり、必要だったり、うっかりだったりで増えていくんですね。でも、それがどうしてPCの起動をあんなに遅くするんですか?裏で動いているだけなら、そんなに影響なさそうな気もするんですが…。

それが大きな間違いなんじゃ。PCの性能は主に「CPU」「メモリ」「ストレージ」の3つで決まる。スタートアップアプリは、この3つ全てに悪影響を与えるんじゃよ。
影響①:メモリ(作業机)を占領する
メモリはよく「作業机の広さ」に例えられる。机が広ければ、たくさんの書類や道具を広げて効率よく作業できる。スタートアップアプリが起動するということは、朝、会社に来たら、その日の仕事で使わない資料までごっそり机の上に広げられている状態なんじゃ。本当に使いたいアプリ(今日の仕事の資料)を広げるスペースが狭くなり、結果的に全体の作業効率が落ちてしまう。
影響②:CPU(頭脳)を疲れさせる
CPUは「PCの頭脳」じゃ。計算や処理を担当する。たくさんのアプリが同時に起動すると、CPUは「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と大忙しになる。特に起動時は、Windows自身の準備とスタートアップアプリの準備が重なるため、CPUの使用率が100%に張り付いてしまい、マウスを動かすといった簡単な操作すら受け付けなくなることがあるんじゃ。
影響③:ストレージ(倉庫)へのアクセスが渋滞する
ストレージ(HDDやSSD)は「データを保管する倉庫」じゃな。アプリを起動するには、この倉庫から必要なデータを取り出してこなければならん。たくさんのアプリが一斉に「データよこせ!」と倉庫に殺到すると、入り口で大渋滞が発生する。これが、アイコンをクリックしてもアプリがなかなか開かない原因の一つなんじゃよ。
つまり、ミマワリ君のPCの起動が遅いのは、使わないアプリたちがメモリとCPUとストレージの能力を寄ってたかって奪い合っているからなんじゃ。
第3章:3分で終わる「おもてなし」の断捨離術
うわぁ…僕のPCの中で、そんな壮絶な奪い合いが起きていたなんて…。なんだかPCが可哀想になってきました。博士、すぐにその不要な”おもてなし”を断る方法を教えてください!でも、なんだか難しそうな設定をいじるのはちょっと怖いんですが…。

フフフ、心配無用じゃ。これから教えるのは、まるで魔法の呪文のようなショートカットキーと、クリック2回で終わる簡単な操作だけじゃ。さあ、一緒にやってみよう。
【解決策:タスクマネージャーを開く魔法の呪文】
まず、キーボードの Ctrl キーと Shift キーを押しながら、Esc キーを押してみてごらん。3つのキーを同時に押すんじゃ。
えーっと、Ctrl と Shift を押しながら… Esc!あ、何かウィンドウが出てきました!「タスク マネージャー」って書いてあります!

うむ、それが君のPCの執事が集まる部屋、「タスクマネージャー」じゃ。もし表示がシンプルな場合は、左下の「詳細」をクリックして詳しい表示に切り替えるんじゃぞ。
【ステップ1:スタートアップタブを見つける】
ウィンドウの上部に「プロセス」「パフォーマンス」などのタブが並んでおるじゃろう。その中から「スタートアップ」(OSのバージョンによっては「スタートアップ アプリ」)というタブを探してクリックするんじゃ。
ありました!クリックしたら、アプリの名前がずらーっと並んでいます。うわっ、こんなにたくさんあるなんて知らなかった…。横には「状態」っていうのがあって、「有効」とか「無効」とか書かれていますね。

その通り!ここが君のPCの起動時に自動で立ち上がるアプリの一覧表じゃ。「状態」が「有効」になっているものが、現在の犯人候補たちじゃな。さらにその横に「スタートアップへの影響」という項目があるじゃろう?
はい、「高」「中」「低」「なし」って表示されてます!「高」になっているものが結構ありますね…。これって、もしかして…。

その通り。Windowsが「こいつは特に起動時間に大きく影響を与えとるぞ」と教えてくれているんじゃ。特に「高」と表示されている「有効」なアプリは、最優先で見直すべき対象じゃ。
【ステップ2:不要なアプリを無効化する】
さあ、いよいよ断捨離の時間じゃ。一覧の中から「これはPCを起動してすぐに使うわけじゃないな」と思うアプリを選んで、一度クリックしてみてごらん。
えーっと、例えばこの音楽アプリとか…仕事中は使わないし。クリックしました!

よし。そうすると、ウィンドウの右下にある「無効にする」というボタンが押せるようになるじゃろう。それをクリック!あるいは、アプリ名を右クリックして「無効化」を選んでも同じじゃ。
ポチッ…あ!「状態」が「有効」から「無効」に変わりました!本当にこれだけですか!?

そう、これだけじゃ。この操作でアプリが消えてしまう(アンインストールされる)わけではない。あくまで「起動時に自動で立ち上がる」のをやめさせるだけじゃから、使いたいときは今まで通りアイコンをクリックすればいつでも起動できる。安心じゃろう?
第4章:【最重要】無効にして良いアプリ・ダメなアプリの見極め方
簡単で安心しました!…でも博士、一つすごく重要な疑問が…。この中に、間違って無効にしちゃいけないアプリってありませんか?PCが動かなくなったらどうしようって、ちょっと心配で…。

ミマワリ君、今日の話でそこが一番重要なポイントじゃ!よくぞ聞いてくれた。確かに、中にはむやみに無効化しない方が良いものもある。これから「無効化してOKなもの」「注意が必要なもの」「絶対に触るべきではないもの」の具体的な見分け方を伝授しよう。
【積極的に無効化してOKなアプリの例】
基本方針は「自分で使いたいときに起動すれば十分なアプリ」じゃ。
- 各種チャットツール:Teams, Slack, Zoom, Skypeなど。起動時に立ち上がらなくても、必要になったらアイコンをクリックすればよい。
- 音楽・動画配信サービス:Spotify, Apple Music, Netflixなど。仕事始めに自動で起動する必要はないはずじゃ。
- クリエイティブソフトの補助ツール:Adobe Creative Cloudなど。PhotoshopやIllustrator本体を使うときに一緒に起動すれば十分。
- ゲーム関連のランチャー:Steam, Epic Games Launcher, Discordなど。言うまでもなく、仕事中は不要じゃな。
- その他ユーティリティ:Evernote, LINEなど、PC起動と同時に使わないものは、どんどん無効化してしまって構わん。
【無効化に注意が必要なアプリの例】
これらは、無効にすると少し不便になったり、一部機能が使えなくなったりする可能性があるものじゃ。自分の使い方と相談じゃな。
- クラウドストレージの同期アプリ:Google Drive, Dropbox, OneDriveなど。これらを無効にすると、PC起動時に自動でファイルが同期されなくなる。常に最新の状態にしておきたいなら「有効」のままがよい。
- 入力補助ツール:Microsoft IME, Google日本語入力など。基本的には触らない方が無難じゃが、もし複数入っていて使わないものがあれば無効にしてもよい。
- PCメーカー独自のツール:バッテリー管理やファン制御など、PCの特殊な機能を司るもの。発行元がPCメーカー名(例: Dell, HP, Lenovo)になっていたら、よくわからなければ触らないのが吉じゃ。
【絶対に無効化してはいけないアプリの例】
これらはPCの安定動作やセキュリティの根幹に関わるもの。絶対に「無効」にしてはならん!
- セキュリティソフト:ウイルスバスター, Norton, McAfeeなど、「○○ Security」といった名前のもの。これを無効にしたら、玄関の鍵を開けっ放しで外出するようなものじゃ。最重要項目じゃぞ!
- グラフィックドライバ関連:NVIDIA, AMD, Intelといった名前が含まれるもの。画面表示を司る重要なプログラムじゃ。
- オーディオドライバ関連:Realtek HD Audioなど、音を出すためのプログラム。
- Windows自身のプログラム:発行元が「Microsoft Corporation」となっているもののうち、OneDriveなどを除いたコアなプログラム。よくわからなければ触らないことじゃ。
もし迷ったら、「アプリ名をそのままGoogleで検索する」のが一番確実じゃ。「(アプリ名) スタートアップ 無効」と検索すれば、多くの先人たちがそのアプリを無効にしても大丈夫かどうかを議論しておるはずじゃからな。
第5章:ビフォーアフターと今後のメンテナンス
博士の解説、すごくわかりやすいです!これなら僕でも安全に断捨離できそう!教えてもらった通り、明らかに不要なアプリを5つほど「無効」にしてみました。タスクマネージャーは右上の「×」で閉じて…さあ、いよいよ結果発表ですね!ドキドキするなぁ…。

うむ。設定を反映させるには、一度PCを再起動する必要がある。さあ、勇気を出して再起動してみるんじゃ!
(ミマワリ、PCを再起動…)
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博士、すごい!すごいです!!デスクトップが表示されたと思ったら、もうマウスカーソルが普通に動きます!いつもみたいにグルグル待たされる時間が全くありませんでした!体感だと、起動時間が半分以下になった気がします!まるで新品のPCみたいです!

そうじゃろう、そうじゃろう。これが**「ビフォーアフター」じゃ。不要な前菜を片付けたことで、本当に必要なWindowsの準備だけに集中できるようになった結果じゃ。そして効果は起動時だけではない。作業中も、無駄なアプリがメモリを消費していない分、Excelやブラウザなど、本当に使いたいアプリの動作も軽快になっているはずじゃよ。
本当ですね!なんだかPC全体がサクサク動く感じがします!これからは、新しいアプリをインストールしたときには、必ずスタートアップの設定を確認するようにします。博士、今日は本当にありがとうございました!毎朝のストレスから解放されます!

うむ、その意気じゃ!PCも部屋の掃除と同じで、たまに「大掃除」をしてやるのが大切じゃ。半年に一度くらいは、このタスクマネージャーのスタートアップ項目を見直して、知らない間に増えた不要なアプリがないかチェックする「PCの健康診断」**を習慣にすると良いじゃろう。快適なPC環境で、仕事の効率もどんどん上げていくんじゃぞ!