突然「あなたのPCは危険です」と警告音が鳴り響き、偽警告ポップアップが消せない!それはサポート詐欺です。絶対に電話しないで!専門家が、慌てず安全にポップアップを消す方法から、しつこい警告の根本原因を断つ予防策まで、会話形式で徹底解説します。
ひゃあああ!は、博士ーーーー!助けてください!
僕のパソコンが、僕のパソコンが大変なことに!

なんだミマワリ君、血相を変えて。背後からけたたましい警告音が聞こえるが…まさか…。
そうなんです!ネットで調べ物をしていたら、突然「あなたのPCは危険です!」「ウイルスに感染しました!」って画面が出て、警告音が鳴りやまないんです!
画面には「マイクロソフト」のロゴも出てるし、「すぐにこの番号に電話してください」って書いてあるし…どうしよう、個人情報が全部盗まれちゃうかも!

ミマワリ君、落ち着くんじゃ!そして、絶対にその番号に電話してはいかんぞ!
それは、君のパソコンがウイルスに感染したわけではない。今まさに、君が「サポート詐欺」という卑劣なワナに引っかかっている最中なんじゃ!
第1章:【緊急警報】その警告、100%偽物です!
サポート詐欺の恐ろしい手口とは
えっ!?偽物なんですか?でも、すごく本物っぽいし、警告音もすごいし、画面も閉じられないし…。本当にウイルスじゃないんですか?

断言する、偽物じゃ。本物のマイクロソフトや、まともなセキュリティソフトが、あんな風にけたたましい音を鳴らして、電話を強要するようなことは絶対にない。
これは「サポート詐欺」または「フェイクアラート」と呼ばれる手口じゃ。詐欺師の目的は、君のようなユーザーをパニックにさせて、冷静な判断力を奪い、次のような行動を取らせることなんじゃ。
- 目的①:偽のサポート窓口に電話させる
電話をかけると、片言の日本語を話すオペレーターが出て「ウイルスを除去するために、遠隔操作ソフトをインストールしてください」などと指示し、最終的に数万円から数十万円もの高額なサポート料金を請求する。 - 目的②:PCを乗っ取り、情報を盗む
指示通りに遠隔操作ソフトを入れると、詐欺師が君のPCを自由に操作できるようになる。ネットバンキングのID・パスワード、クレジットカード情報、友人や顧客の連絡先など、あらゆる個人情報が盗まれてしまう。 - 目的③:不要なソフトを買わせる
「このソフトを入れないと危険です」などと嘘をつき、実際には何の効果もない、あるいはそれ自体がウイルスであるようなソフトウェアを高値で売りつけるんじゃ。
重要なのは、今の時点では「まだウイルスには感染していない」ということ。これは、ただの「悪質な広告」がブラウザ上で全画面表示されているだけの状態なんじゃ。だから、慌てず正しく対処すれば、何も被害なく抜け出せる。いいかな?
第2章:絶対にやってはいけない!
パニックが生む4つのNG行動
そ、そうだったんですか…。危うく電話するところでした…。
じゃあ、どうすれば…。この画面、何をどうしても消えないんですけど…。

うむ、消し方はこれから教える。その前に、もっと大事なことがある。それは「絶対にやってはいけないこと」を知っておくことじゃ。これを守らないと、詐欺師の思うツボじゃぞ。
【警告】絶対にやってはいけない4つのNG行動
NG①:表示された電話番号に、絶対に電話しない。
これが詐欺の入り口。電話をすれば、言葉巧みに誘導され、金銭をだまし取られる。
NG②:警告画面上のボタン(OK, 閉じる, キャンセルなど)を、絶対にクリックしない。
詐欺師が用意したボタンはワナ。クリックすると、別の詐欺サイトに飛ばされたり、ウイルスをダウンロードさせられたりする危険がある。
NG③:指示されたソフトウェアを、絶対にインストールしない。
「駆除ツール」「遠隔操作ソフト」などと言われても、絶対に入れてはいけない。PCを乗っ取られるだけじゃ。
NG④:クレジットカード番号などの個人情報を、絶対に入力しない。
言うまでもないが、本物の警告画面が個人情報を要求することはない。
いいかな?とにかく、この画面に対しては「何もしない」「触らない」のが鉄則じゃ。
第3章:【完全ガイド】偽警告を安全に消すための4ステップ
は、はい!何もしません!触りません!
じゃあ、この鳴りやまない音と画面は、どうやって消せばいいんですか?

よろしい。これから安全な消し方を、簡単な順に教えていく。慌てず、一つずつ試してごらん。
ステップ①【初級編】:キーボードショートカットでブラウザを閉じる
偽警告は、君が使っているWebブラウザ(ChromeやEdgeなど)の上で動いているだけじゃ。だから、ブラウザ自体を閉じてしまえばいい。マウスは効かないようにされていることが多いので、キーボードを使うんじゃ。
- Windowsの場合:
Altキーを押しながらF4キーを押す。 - Macの場合:
command ⌘キーを押しながらQキーを押す。
これでブラウザが終了して、警告画面が消えることが多い。まずはこれを試してごらん。
えいっ!…だめです博士、消えません…。しつこいですこいつ…。

ふむ、悪質なタイプじゃな。ならば次の手じゃ。
ステップ②【中級編】:タスクマネージャーでブラウザを強制終了する
今度は、パソコンの司令塔である「タスクマネージャー」や「アクティビティモニタ」を呼び出して、そこからブラウザを強制的に止めるんじゃ。
- Windowsの場合:
Ctrl+Shift+Escの3つのキーを同時に押す。
2.「タスクマネージャー」が起動したら、一覧から使っているブラウザ(Google Chromeなど)を探してクリック。右下の「タスクの終了」ボタンを押す。
- Macの場合:
command ⌘+option ⌥+escの3つのキーを同時に押す。
2.「アプリケーションの強制終了」ウィンドウが表示されたら、一覧からブラウザ(Safariなど)を選び、「強制終了」ボタンを押す。
さあ、どうじゃ?
や、やりました!消えました!警告音も止まって、静かになりました…!あー、よかった…。

うむ、ご苦労じゃった。ちなみに、それでも消えない場合の最終手段は、パソコンの電源ボタンを長押ししての強制シャットダウンじゃ。ただし、これは保存していないデータが消えるリスクがあるので、本当に最後の手段じゃぞ。
ステップ③【超重要】:ブラウザ再起動時のワナを回避せよ!
さてミマワリ君、安心するのはまだ早い!一番大事な作業が残っておる。今からブラウザをもう一度開いてみてごらん。おそらく、ブラウザが「予期せず終了しました。セッションを復元しますか?」と聞いてくるはずじゃ。
この「復元」ボタンを絶対に押してはいかん!
「復元」を押すと、さっき閉じた偽警告のページまで律儀に復元されてしまい、全てが水の泡じゃ。必ず「復元しない」や「×」ボタンでダイアログを閉じるんじゃぞ。
ステップ④【仕上げ】:ブラウザのキャッシュを掃除する
最後に、念のためブラウザに溜まったゴミ(キャッシュや閲覧履歴)を掃除しておこう。これにより、誤って偽警告のページを再度表示してしまうリスクを減らせる。
- Chromeの場合:右上の「︙」→「その他のツール」→「閲覧履歴を消去」
- Edgeの場合:右上の「・・・」→「設定」→「プライバシー、検索、サービス」→「閲覧データをクリア」
- Safariの場合:メニューバーの「Safari」→「履歴を消去」
期間は「過去24時間」や「全期間」を選んでデータを削除すれば完璧じゃ。
第4章:もう騙されない!
偽警告を二度と表示させないための予防策
はぁ〜、なんとか元通りになりました…。本当に心臓に悪いです…。
でも博士、そもそもどうしてあんな画面が表示されちゃったんでしょうか?また同じことになったらと思うと、ネットを見るのが怖くなります。

良い質問じゃ。原因を知り、対策を打つことが一番の防御になる。偽警告が表示される主な原因は、次のようなものじゃ。
- Webサイトに表示される悪質な広告をクリックしてしまった。
- 検索結果などから、危険なWebサイトにうっかりアクセスしてしまった。
- Webサイトの「通知を許可しますか?」という表示に、よく考えずに「許可」を押してしまった。
これを踏まえて、今日からできる予防策を3つ伝授しよう。
① むやみに「通知の許可」をしない
これが最近の偽警告の主要な感染経路じゃ。怪しいサイトからの通知を許可すると、忘れた頃にOSの通知機能を使って偽警告を送りつけてくる。ブラウザの設定から、不要なサイトの通知許可はすべて削除・ブロックするんじゃ。
② 信頼できるセキュリティソフトを導入し、最新の状態に保つ
優れたセキュリティソフトは、危険なサイトへのアクセスを事前にブロックしてくれたり、悪質な広告を非表示にしてくれたりする。OSの標準機能だけでなく、信頼できる有料ソフトの導入を検討する価値は十分にあるぞ。
③ 「怪しい」と感じたらクリックしない、近づかない
「無料」「激安」「当選」といった甘い言葉で誘う広告や、ゴシップ記事サイトなど、少しでも怪しいと感じるサイトには近づかない勇気も必要じゃ。「自分だけは大丈夫」という油断が、詐欺師に付け入る隙を与えるんじゃからな。
原因と対策、よく分かりました!これからは博士に教わったことを守って、慎重にインターネットを使います。
万が一、また同じ画面が出ても、もう慌てずに対処できそうです。本当に、本当にありがとうございました!

うむ。今日の恐怖を忘れず、常に「疑う心」を持ってデジタル世界を旅することじゃ。もし友人や家族が同じ状況で困っていたら、君がヒーローになって、この知識を教えてあげるんじゃぞ。