「日報を書くのが面倒で、つい後回しにしてしまう…」 「部下の日報がなかなか提出されない…」 「紙やメールの日報は、後から見返したり情報を活用するのが大変…」
毎日繰り返される報告業務に、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
もし、スマートフォンから簡単な操作だけで日報が提出でき、その内容が自動で一覧表にまとまる仕組みがあったら、報告する側も管理する側も、ぐっと楽になると思いませんか?
今回は、特別なITの知識がなくても、まるでExcelやスプレッドシートを操作するような感覚で、自社にぴったりの「日報管理アプリ」を作成する方法をご紹介します。その秘密は、Googleが提供する「AppSheet(アップシート)」というツールにあります。
準備はたった2つだけ
このアプリ作成に必要なものは、驚くほどシンプルです。
- Googleアカウント(普段お使いのGmailアカウントでOKです)
- パソコン
特別なソフトのインストールは一切不要。これだけで、すぐにアプリ作りを始められます。
簡単3ステップ!オリジナル日報アプリの作り方
それでは、さっそく作成手順を見ていきましょう。専門用語は使わず、分かりやすく解説しますのでご安心ください。
ステップ1:アプリの「設計図」をスプレッドシートで描こう
はじめに、アプリが記録するデータの「入れ物」となる台帳を、Googleスプレッドシートで作成します。これがアプリの全ての基礎となる、大切な設計図です。
- Googleドライブで、新しいスプレッドシートを開きます。
- 1行目に、日報に必要な項目をタイトルとして入力します。今回はシンプルに以下の5項目にしてみましょう。
- 報告者
- 日付
- 業務内容
- 課題・問題点
- 明日の予定
- シートの名前を「日報管理」など、分かりやすい名前にしておきましょう。
[画像:項目が入力されたGoogleスプレッドシートの画面]
たったこれだけで、設計図は完成です。簡単ですよね?
ステップ2:AppSheetの魔法で、アプリの骨格を自動作成!
ここからがAppSheetの出番です。先ほどの設計図に、アプリという命を吹き込んでいきます。
- AppSheetの公式サイトにアクセスし、Googleアカウントでログインします。
- 「新しいアプリを作成」といったボタンから、「既存のデータから開始」を選択します。
- 先ほど作成したスプレッドシート「日報管理」を選ぶだけで…
なんと、AppSheetがシートの項目を自動で読み取り、アプリの原型をものの数秒で作り上げてくれます! まるで魔法のようですが、これだけで入力フォームや一覧画面の骨格が出来上がってしまいました。
[画像:AppSheetの編集画面と、自動作成されたアプリのプレビュー]
ステップ3:「おもてなし機能」で、アプリを使いやすく仕上げよう
自動で作成されたアプリに、ほんの少しだけ「おもてなしの心」を加えて、誰にとっても使いやすいアプリに仕上げていきましょう。
AppSheetの編集画面で、以下のような「気の利く設定」を追加します。
- 報告者の名前を自動で表示:「報告者」の欄には、ログインしている人の名前が自動で入るように命令します。これで、毎回名前を入力する手間が省けます。
- 今日の日付を自動で入力:「日付」の欄も同様に、アプリを開いたその日の日付が自動で入るように設定。入力ミスも防げますね。
- 入力欄を広々と:「業務内容」など、文章をたくさん書く項目は、複数行にわたって書きやすいように入力欄を広げてあげます。
これらの設定も、数回のクリックと簡単な単語(USERNAME()
や TODAY()
)を入力するだけで完了します。最後に保存ボタンを押せば、あなただけのオリジナル日報アプリの完成です!
このアプリが、あなたの仕事の何を変えるのか?
このシンプルな日報アプリを導入するだけで、日々の業務はこんなに変わります。
【報告するスタッフのメリット】 ✅ いつでも、どこでも報告可能:移動中の電車や外出先からでも、スマホ一つで報告が完了します。 ✅ 入力の手間を大幅削減:名前や日付は自動入力。報告業務が数分で終わり、本来の仕事に集中できます。 ✅ 報告漏れがなくなる:手軽さから、日報提出の習慣が自然と身につきます。
【管理するマネージャーのメリット】 ✅ 進捗状況をリアルタイムに把握:提出された日報は即座に一覧表に反映。チームの状況が一目でわかります。 ✅ ペーパーレスで管理が楽に:紙の書類を探したり、メールを遡ったりする必要はもうありません。 ✅ 情報が「資産」になる:データが自動で蓄積されるため、チームの課題分析や月次の振り返りにも簡単に活用できます。
さあ、次はあなたの番です
今回ご紹介した日報アプリは、AppSheetで実現できることのほんの一例にすぎません。この仕組みを応用すれば、「勤怠管理アプリ」「在庫確認アプリ」「顧客訪問記録アプリ」など、あなたの会社の業務に合わせた様々なアプリを自らの手で作り出すことができます。
日々の「ちょっと面倒だな」と感じる業務を、ゲーム感覚で効率化してみませんか? まずはこのコラムを参考に、あなたの第一歩となる「日報管理アプリ」作りに、ぜひ挑戦してみてください。