テレワークや社内外での共同作業が当たり前になった今、Google Driveでのファイル共有は欠かせない業務の一つです。「この資料、A社のBさんに共有しておいて!」といったやり取りも日常的になりましたね。
しかし、その手軽さの裏側には、「うっかり宛先を間違えた」「まだ編集中なのに共有してしまった」といったヒューマンエラーによる情報漏洩のリスクが潜んでいます。
そんな不安を解消し、ファイルの共有に「承認」という一手間を加えることで、セキュリティを格段に向上させるのが、Google Workspaceの「承認機能」です。今回は、この便利で安全な機能の使い方を分かりやすくご紹介します。
そもそも「承認機能」って何?
承認機能とは、Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドといったファイルを他のユーザーと共有する際に、上司や管理者の「承認」を得るプロセスを追加できる機能です。
これにより、正式な手続きを経てから情報が共有されるため、「担当者だけの判断で重要書類を外部に送ってしまった」といった事態を防ぎ、組織としての情報管理体制を強化できます。
【実践編】承認機能を使ってみよう!
使い方はとてもシンプルです。ここでは、「依頼する側」と「承認する側」の2つの視点から手順を見ていきましょう。
ステップ1:承認をリクエストする方法(依頼者側)
- ファイルから「承認」を選択 Google ドキュメントなどのファイルを開き、上部メニューの「ファイル」から「承認」をクリックします。
- リクエストを送信 画面右側にパネルが表示されたら、「リクエストを送信」をクリックします。
- 詳細を入力して依頼完了! 承認してほしい人のメールアドレス、メッセージ、承認期限などを入力し、「リクエストを送信」をクリックすれば完了です。【便利なオプション】
- ファイルをロックする: チェックを入れると、承認されるまで他の誰もファイルを編集できなくなります。レビュー中の意図しない変更を防ぐのに役立ちます。
- 編集を許可する: 承認者が内容を修正できるようにしたい場合にチェックします。
ステップ2:承認する方法(承認者側)
承認を依頼された側には、メールで通知が届きます。
- 内容を確認 メール内のリンクや、直接ファイルにアクセスして内容を確認します。
- ワンクリックで承認または拒否 内容に問題がなければ「承認」、修正が必要な場合は「拒否」をクリックします。コメントを追加して、具体的なフィードバックを伝えることも可能です。
こんな時どうする? Q&Aで解決!
Q1. 送信した承認リクエストを取り消したい場合は?
A1. リクエストを送信した本人であれば、いつでも取り消しが可能です。 ファイルを開き、「ファイル」>「承認」でパネルを表示し、右上の「その他」(︙)から「リクエストをキャンセル」を選択してください。
Q2. 一度「承認」されたけど、やっぱり内容を修正したい!
A2. 一度承認されたファイルは、変更が加えられないように自動で「ロック」されます。 再度編集するには、ファイル上部の「ロック済み」アイコンをクリックし、「ファイルのロックを解除」を選択してください。 ただし、ロックを解除すると、それまでの承認はリセットされるのでご注意ください。 修正後は、再度承認リクエストを送信する必要があります。
まとめ:承認機能で、安心・安全なファイル共有文化を
Google Driveの承認機能は、日々の業務に潜む情報共有のリスクを低減し、組織全体のセキュリティ意識を高めるための強力なツールです。
- 共有前のダブルチェックで、誤送信を防止
- 正式な承認プロセスで、内部統制を強化
- 誰がいつ承認したかの履歴が残り、透明性が向上
操作はとても簡単なので、これまでヒヤリとした経験がある方はもちろん、より安全な共同作業環境を構築したいと考えている方は、ぜひこの「承認機能」を日々の業務に取り入れてみてください。