「広告を出す」と一口に言っても、その目的は様々です。「とりあえず広告を出してみようか」と漠然と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は広告には大きく分けて3つの大切な「効果」があり、それぞれに狙いと見るべきポイントがあるんです。
今回は、この3つの効果「インプレッション効果」「トラフィック効果」「レスポンス効果」について、それぞれの目的と、どうなれば成功と言えるのか、そしてどこを見れば良いのかを分かりやすく解説していきます。
1. 「知ってもらう」ためのインプレッション効果
あなたの素晴らしい商品やサービスも、誰にも知られなければ存在しないのと同じですよね。この「知ってもらう」という役割を担うのが、「インプレッション効果」です。
目的: より多くの人に、あなたの広告を見てもらうこと。ブランドやお店の名前を覚えてもらうこと。
期待すること:
- 「こんな商品があったんだ!」「このお店、初めて知った!」という出会いを増やす。
- 何度も目にすることで、「あ、あの商品(お店)ね!」と認知度が高まる。
- 広告が目に触れることで、漠然とでも「〇〇といえば、このブランド」と記憶に残る。
ここを見ましょう!:
- インプレッション数: 広告が表示された回数です。多ければ多いほど、たくさんの人の目に触れた証拠です。
- リーチ数: 広告を見たユニークな人数です。「何人の人に届いたか」が分かります。
- フリークエンシー: 1人あたり何回広告が表示されたか、という平均回数です。少なすぎると覚えてもらえないですし、多すぎると「またこれか…」と飽きられてしまう可能性も。
この効果は、まるで名刺を配るように、まずは多くの人に「はじめまして!」と挨拶をするイメージです。
2. 「お店に来てもらう」ためのトラフィック効果
「知ってもらう」ことに成功したら、次はその知ってくれた人たちに「もっと詳しく見てみようかな?」と思ってもらい、あなたのお店やウェブサイトへ誘導する必要があります。これが「トラフィック効果」です。
目的: 広告に興味を持った人を、あなたのウェブサイトやオンラインストア、詳細ページへ誘導すること。
期待すること:
- 「この商品、気になる!」「もう少し詳しく知りたいな」という人の背中を押す。
- あなたのサイトへ訪問者を増やし、商品の魅力やサービス内容をじっくり見てもらう。
- 興味を持ってくれた「見込み客」を、次のステップへ進める入り口にする。
ここを見ましょう!:
- クリック数: 広告がクリックされた回数です。これが多ければ、広告がユーザーの興味をしっかり捉えられた証拠です。
- クリック率(CTR): 広告が表示された回数のうち、何回クリックされたかという割合です。「クリック数 ÷ インプレッション数 × 100」で計算できます。CTRが高いほど、広告のメッセージやデザインが魅力的だったと言えます。
- ウェブサイトの直帰率や滞在時間: 広告から来てくれた人が、すぐにサイトを閉じていないか、じっくり見てくれているか、なども大切です。
これは、お店の入り口までお客様をスムーズに案内するようなイメージですね。
3. 「買ってもらう」ためのレスポンス効果
そして最後に、広告配信の最終目標とも言えるのが「レスポンス効果」です。これは、単に知ってもらい、サイトに来てもらうだけでなく、実際に商品を買ってもらったり、問い合わせをしてもらったり、具体的な行動を起こしてもらうことを指します。
目的: 広告を通じて、商品購入、資料請求、問い合わせ、申し込みなど、具体的な成果(コンバージョン)を得ること。
期待すること:
- 広告費をかけた分、しっかり売上や問い合わせに結びつける。
- 見込み客が「よし、やってみよう!」と決断するきっかけを作る。
- 投資した広告費用に見合った、あるいはそれ以上の成果を得る。
ここを見ましょう!:
- コンバージョン数: 広告経由で、あなたが設定した目標(購入、問い合わせなど)が達成された回数です。これが一番分かりやすい成果の数字ですね。
- コンバージョン率(CVR): 広告をクリックしてくれた人のうち、何人が実際に成果まで到達したかという割合です。「コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100」で計算します。
- 顧客獲得単価(CPA): 1件の成果を得るために、どれくらいの広告費がかかったかを示す数字です。「広告費合計 ÷ コンバージョン数」で算出します。この数字が低いほど、効率的に顧客を獲得できていると言えます。
- 広告費用対効果(ROAS): 広告費に対して、どれだけの売上があったかを示す割合です。「広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100」で計算します。
これは、お店に来てくれたお客様が、実際にレジで「これをください!」と商品を購入してくれる、まさにその瞬間を生み出すイメージです。
広告配信は、これら3つの効果の組み合わせ
広告配信は、これら「知ってもらう」「お店に来てもらう」「買ってもらう」という3つのステップを意識し、それぞれの段階で適切な指標を見ていくことが成功への鍵となります。
「どんな広告を出したらいいか分からない」と感じたら、まずは「誰に、何を、どうなってほしいか」という目的を明確にすることから始めてみませんか? 私たちも、その目的達成のために、どの効果を最大化すべきか、そしてどの指標を追うべきか、お客様と一緒に考えていきます。
もし、今回のコラムを読んで「うちの場合はどうだろう?」と気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください。