アオウル博士: ITとセキュリティの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。
ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCやスマホは毎日使うけど、たまにツールがうまく使えず困ってしまう。

PowerPoint(パワポ)の「デザイナー」機能が使えない!ボタンが消えた!そんな時、PCの故障を疑う前に、まず確認すべき「オプション設定」があります。AIがデザインを提案する便利な機能がオフになっているだけかも? IT専門家の博士が、設定確認の具体的な手順を会話形式でわかりやすく徹底解説します。
はかせー!大変です、大ピンチです!明日の大事なプレゼン資料を作ってるんですけど、いつも使ってるPowerPointの「デザイナー」機能が急に動かなくなっちゃいました!

おぉ、ミマワリ君。そんなに慌ててどうしたんじゃ。「デザイナー」機能というと、あの「デザイン アイデア」を自動で提案してくれる便利な機能のことじゃな?
そうです![ホーム]タブの右端にあるはずの[デザイナー]ボタンが、灰色になって押せないんです…いや、そもそもボタン自体が見当たらない気も…!昨日までは、写真やテキストを入れるだけで、AIが「こんなデザインはどうですか?」って、いい感じのレイアウトをたくさん提案してくれてたのに!

あれがないと、僕、デザインセンスに自信ないから、ただ文字と写真を並べただけの「ビフォー」なスライドになっちゃいます…。「アフター」の、あのかっこいいスライドが作れないと、プレゼンの説得力が…(泣)

ふむ。「昨日まで使えていたのに急に使えなくなった」というのがポイントじゃな。PCの故障やMicrosoft側のサーバー障害を疑う気持ちもわかるが、慌てるでない。
こういうITトラブルの多くは、実は**【自分側の設定】がいつの間にか変わってしまっている…という、非常に単純な原因だったりするんじゃよ。
第1章:【大前提】そのパワポ、本当に「デザイナー」が使えますか?
えっ、僕のパワポ、使えないってことですか?昨日まで使えてたのに…。

ミマワリ君の場合は「昨日まで使えていた」から、この前提はクリアしておるじゃろう。じゃが、このコラムを読んでおる「最初から使えない」という人のために、デザイナー機能が動作するための「3つの大前提」をまずはおさらいさせておくれ。
前提①:Microsoft 365(サブスクリプション版)であること
これが最大の「ギャップ」じゃ。PowerPointデザイナーは、AIが常に進化し続けるクラウドベースの機能じゃ。そのため、「Microsoft 365」(月額や年額で支払うサブスクリプション版)のユーザーに優先的に提供されておる。
一方で、一度購入したらずっと使える「買い切り版」(Office 2021, Office 2019など)では、デザイナー機能が使えないか、使えても非常に限定的な機能になっておるんじゃ。自分のライセンスがどちらか分からない人は、[ファイル] > [アカウント]を開いて、「製品情報」の部分を確認してみるんじゃ。
前提②:インターネットに接続されていること
デザイナー機能は、君のPCの中だけで動いておるのではない。スライドのコンテンツ(テキストや画像の位置)を、インターネット経由でMicrosoftの強力なAIサーバーに送り、そこでデザイン案を計算してもらって、結果を返してもらっておるんじゃ。当然、オフライン(ネット未接続)では一切機能せんぞ。
前提③:コンテンツ(テキストや画像)がスライド上にあること
「新規作成」で真っ白なスライドを開いた瞬間、デザイナーボタンが灰色(グレーアウト)になっていても慌ててはいかん。AIとて、分析する材料がなければデザインの提案はできんからのう。まずはタイトルを打ち込んだり、写真を1枚貼り付けてみたりするんじゃ。それをトリガー(引き金)に、デザイナーが起動することが多いんじゃよ。
なるほどー。僕は全部クリアしてるはずです。会社のPCだからMicrosoft 365だし、ネットも繋がってるし、スライドには文字も写真も入力済みです。…なのに、出ないんです!

よし、ではいよいよ本丸じゃ。ミマワリ君、君は「何も触っていないつもり」かもしれんが、PowerPointにはデザイナー機能のON/OFFを切り替える「秘密のスイッチ」が存在するんじゃ。それも、意外と簡単な場所にな。
これから、その「オプション設定」の確認方法を、わしと一緒に一つひとつ検証していくぞ。10分もあれば終わる。
第2章:【本題】「オプション設定」を徹底検証!デザイナー復活への4ステップ
では、PowerPointを開いた状態で、わしの言う通りに操作してみておくれ。
ステップ①:「ファイル」タブから「オプション」へ進む
まず、PowerPointの画面、一番左上にある「ファイル」というタブをクリックするんじゃ。
「ファイル」ですね。クリックしました。青い画面になって、「ホーム」とか「新規」とか「開く」が並んでます。

うむ。その左側のメニューの一番下を見てごらん。「アカウント」「フィードバック」…そして「オプション」という項目があるじゃろ?(※もし見当たらなければ「その他…」の中にあるかもしれん)
その「オプション」をクリックするんじゃ。
あ、ありました!「オプション」…クリックします!…おぉ、なんか「PowerPointのオプション」っていう、小さい別のウィンドウが開きました!

そうじゃ。そこがPowerPointのあらゆる詳細設定を司る「司令塔」じゃ。そのウィンドウの左側メニューで、一番上の「全般」が選ばれていることを確認するんじゃ。
ステップ②:「PowerPoint デザイナー」セクションを探す
「全般」タブが選ばれていると、右側にたくさんの設定項目が並んでおるじゃろ。「ユーザー インターフェイスのオプション」とか「Office の個人設定」とか…。
その項目を上から順に、よーく目で追っていくんじゃ。必ず「PowerPoint デザイナー」という名前のセクション(見出し)があるはずじゃ。
えーっと、「全般」で…下に見ていくと…あ!ありました!「PowerPoint デザイナー」っていう太字の見出し、発見しました!

ステップ③:【最重要】「デザイン アイデアを自動的に表示する」にチェック!
よし、そこが核心じゃ。その「PowerPoint デザイナー」セクションの中に、「デザイン アイデアを自動的に表示する」という項目と、その左側に四角いチェックボックスがあるじゃろ。
ミマワリ君、そのチェックボックスの状態はどうなっておる?
あ…………。
博士…。チェック、外れてます!!

ビンゴじゃな!
原因はそれじゃ。そこが「デザイナー機能のメインスイッチ」じゃ。そのチェックが外れておると、PowerPointに対して「私はデザイナー機能を使いません」と宣言しておるのと同じこと。これではAIも提案のしようがない。
おそらく、何かの拍子にミマワリ君自身がクリックしてしまったか、あるいは会社のセキュリティアップデートなどで、この設定がリセットされてしまったんじゃろう。
すぐに、そのチェックボックスをクリックして「オン」にするんじゃ!
ステップ④:【念のため】「インテリジェント サービス」も確認
メインスイッチは入れたが、念のため「大元の電源」も確認しておくぞ。
同じ「全般」タブの、今度は「PowerPoint デザイナー」セクションの少し下を見てごらん。「Office インテリジェント サービス」というセクションはないかの?(※バージョンによっては「接続エクスペリエンス」などの名前かもしれん)
デザイナーはAI、つまり「インテリジェント サービス」の一部じゃ。もしそこに「サービスを有効にする」とか「エクスペリエンスを有効にする」といったチェックボックスがあれば、それも必ず「オン」にしておくんじゃ。ここが大元の電源じゃから、これが切れておると、個別のデザイナー機能も動かんことがある。
はい!「デザイン アイデアを自動的に表示する」は今、カチッとオンにしました!
「インテリジェント サービス」の項目も確認しました。「エクスペリエンスを有効にする」ってところに、ちゃんとチェックが入ってます!

よろしい!では、「PowerPointのオプション」ウィンドウの一番下にある「OK」ボタンを押して、設定を保存するんじゃ。
そして、ここからが肝心じゃ。設定を確実に反映させるため、一度PowerPointを完全に終了させる。右上の「×」ボタンで閉じるんじゃ。開いているファイルは、もちろん保存してからな。
第3章:【検証】ビフォーアフター!蘇るAIアシスタント
はい!「OK」を押して、PowerPointを完全に終了しました。…なんだかドキドキしますね。

うむ。では、深呼吸して、もう一度PowerPointを起動し、例のプレゼン資料を開いてごらん。
(再起動中…)
あ!博士!博士!出ました!
[ホーム]タブの右端に、[デザイナー]ボタンが復活してます!ちゃんと色が付いてて、押せるようになってます!
それに、スライドを開いた瞬間、画面の右側に「デザイン アイデア」のウィンドウが自動で開いて、僕が作ったスライドに対して「こんなデザインどうですか」って、AIがたくさん提案してくれてます!

ほっほっほ。良かったのう。まさに劇的な「ビフォーアフター」じゃ。
(ビフォー):デザイナーが使えず、資料作成に絶望していたミマワリ君。
(アフター):たった一つのチェックボックスを「検証」しただけで、AIの助けを借りて効率的に作業できるようになったミマワリ君。
これで明日のプレゼンもバッチリじゃな。
ありがとうございます!本当に助かりました。こんな簡単な「オプション設定」が原因だったなんて、灯台下暗しでした…。PCを再起動したり、アンインストールを考えたりする前に、博士に相談してよかったです。

第4章:【警告】それでもダメな時…考えられる「3つの最終手段」
博士、ちなみにですが…もし、さっきのチェックを入れてもデザイナーが復活しなかったら、他にどんな原因が考えられるんですか?

良い質問じゃ。今回のように「オプション設定(自分側)」で解決するのが一番簡単なパターンじゃが、それでもダメな場合は、問題がもう少し根深い可能性がある。その場合の「検証」リストを3つ、伝授しておこう。
検証①:【警告】会社の「管理者ポリシー」による制限
ミマワリ君が会社のPCを使っている場合、会社のIT管理者が、全社的にデザイナー機能を「無効」に設定している可能性がある。これは、例えば「スライドの情報を外部のAIサーバーに送りたくない」といったセキュリティポリシー(グループポリシー、GPOと呼ばれる)によるものじゃ。
この場合、悲しいかな、ミマワリ君が自分のPCのオプションをいくらいじっても機能は有効にならん。さっきの「デザイン アイデアを自動的に表示する」のチェックボックス自体が灰色で押せなくなっている場合も、これが原因のことが多い。解決策は、IT管理者に「デザイナー機能を使いたい」と相談することだけじゃ。
検証②:アカウントの「再サインイン」
Microsoft 365は、ライセンス認証をアカウントで行っておる。この認証が一時的におかしくなり、「君はデザイナー機能を使う権限がない」と誤認識されていることがあるんじゃ。
[ファイル] > [アカウント]から、一度「サインアウト」し、PCを再起動。その後、もう一度PowerPointを開いて「サインイン」し直すと、ライセンス情報がリフレッシュされて治ることがある。
検証③:Officeプログラムの「修復」
PowerPointのプログラムファイル自体が、何かの拍子で少し壊れてしまっている可能性もある。これは最終手段じゃが、Windowsの[設定] > [アプリ](または[コントロール パネル] > [プログラムと機能])を開き、「Microsoft 365」を選んで[変更]をクリックするんじゃ。
すると「クイック修復」と「オンライン修復」という選択肢が出る。「クイック修復」でダメなら、より強力な「オンライン修復」を試してみるんじゃ。プログラムの破損を自動で直してくれるぞ。
第5章:まとめ:トラブルは「オプション」を疑え!
いやー、奥が深いですね!でも、僕の場合は一番簡単な「オプション設定」が原因で本当によかったです。今日の教訓、忘れません!
「パワポ デザイナー 使えない」は、まず[ファイル] > [オプション] > [全般] > 『デザイン アイデアを自動的に表示する』のチェックを確認!**

その通りじゃ!よくできました。
PCやソフトが急におかしくなると、つい「壊れた!」とパニックになりがちじゃが、大抵は今回のような「設定(オプション)」の見直しで解決するものじゃ。慌てず、騒がず、まずは「自分側の設定」を冷静に検証すること。それがハイテク社会を賢く生き抜く「秘密」のコツじゃよ。
さ、わしはこれで失礼するぞ。ミマワリ君、プレゼン資料作り、頑張るんじゃぞ!
はい!博士、本当にありがとうございました!最高の資料に仕上げます!
