ウェブサイトの分析でよく耳にする「直帰率」。この数値が高いと、「うちのサイトは人気がないのでは…」と不安に感じてしまうご担当者様も多いのではないでしょうか。
しかし、ご安心ください。直帰率が高いからといって、一概に「悪いサイト」と決めつけるのは早計です。
今回は、直帰率の正しい見方と、現在の分析の主流であるGoogleアナリティクス4(GA4)における新しい評価の考え方について、分かりやすく解説します。
そもそも「直帰率」ってどんな数字?
直帰とは、お客様が「お店に入ってきたけれど、商品や店内を少し見ただけで、何も買わずにすぐに出て行ってしまった」状態に似ています。
ウェブサイトで言えば、ユーザーがサイトに訪問し、最初の1ページだけを見て他のページに移動することなくサイトを離れてしまった割合。これが「直帰率」です。
「直帰率が高い」=「悪いサイト」とは限らない!
直帰率が高いという結果には、実は「良い直帰」と「心配な直帰」の2つの側面があります。
良い直帰の例 😊
例えば、以下のようなケースは直帰率が高くても問題ありません。
- ブログや最新情報ページ 検索してたどり着いたユーザーが、その記事だけで疑問や目的を解決でき、満足して離脱した場合です。これは「ユーザーの目的を1ページで達成できた、質の高いページ」と評価できます。
- 店舗のアクセスページ、お問い合わせページ ユーザーが住所や電話番号を確認できれば、目的は達成です。すぐに離脱するのは自然な行動と言えます。
心配な直帰の例 🤔
一方で、以下のような場合は改善が必要かもしれません。
- トップページやサービス一覧ページ サイトの入口となるページで多くのユーザーが離脱している場合、「サイトが使いにくい」「期待した情報がなかった」と思われている可能性があります。
- ページの表示が遅い 読み込みに時間がかかり、ユーザーが待ちきれずに離脱しているケースです。
- スマートフォンで見づらい スマホでのアクセスが主流の今、PCでしかキレイに見られないサイトは大きな機会損失に繋がります。
【重要】分析の主役が交代!GA4では「エンゲージメント率」を見よう
ここが最も大切なポイントです。 現在、Googleアナリティクスは新バージョンである「Google Analytics 4(GA4)」が主流です。そして、このGA4では評価の主役が「直帰率」から「エンゲージメント率」へと交代しました。
「エンゲージメント」とは?
エンゲージメントとは、「サイトに対してユーザーがどれだけ興味を持ってくれたか」を示す行動のことです。具体的には、以下のいずれかを満たすと「興味を持ってくれた(エンゲージメントがあった)」と判断されます。
- 10秒以上、ページを閲覧してくれた
- 資料請求や問い合わせなど、目標となる行動をしてくれた
- 2ページ以上、サイト内を回遊してくれた
GA4での直帰率は?
GA4における直帰率は、「エンゲージメントがなかったセッションの割合」と定義されています。つまり、「サイトに興味を示してくれなかった訪問の割合」です。
昔の直帰率とは定義が異なるため、**単純な比較はできません。**むしろ、これからは「エンゲージメント率」を上げることを目標にするのがおすすめです。
まとめ:これからのサイト分析で大切なこと
ウェブサイトを評価する際は、一つの数字に一喜一憂するのではなく、サイト全体の目的やページごとの役割に立ち返ることが重要です。
- 「直帰率」は、必ずしも悪者ではない。
- GA4では「直帰率」より「エンゲージメント率」が重要。
- 「ユーザーがサイトで満足してくれているか?」という視点を持つ。
これらのポイントを押さえて、ぜひあなたのウェブサイトの価値を正しく評価し、改善に繋げてください。