ウェブ解析レポートには、訪問者数やページビュー数、滞在時間など、さまざまなデータが並んでいますよね。これらは「単純集計」と言って、それぞれの項目を個別に集計したものです。もちろん、これだけでもウェブサイトの状況を把握するのに役立ちます。
しかし、クロス集計は、さらに一歩踏み込みます。それは、複数のデータ項目を「掛け合わせて」分析することです。
例えるなら、料理のレシピのようなものです。
- 「卵」だけを集計する(単純集計)
- 「牛乳」だけを集計する(単純集計)
これだけでは、オムライスは作れませんよね。
クロス集計は、「卵」と「牛乳」と「バター」を組み合わせることで、「オムライス」という新しい価値を生み出すようなイメージです。
ウェブ解析で言えば、
- 「どこからウェブサイトに来たか(参照元)」
- 「最終的に商品を買ってくれたか(コンバージョン)」
この2つのデータを掛け合わせることで、「どの経路から来た人が、最も商品を買ってくれやすいのか?」という、非常に重要な情報が見えてくるのです。
クロス集計で「なぜ?」が見えてくる
ウェブサイトを運営していると、「もっと売上を伸ばしたい」「問い合わせを増やしたい」といった目標がありますよね。そのためには、「なぜ」ユーザーが特定のアクションをするのか、あるいはしないのかを知る必要があります。クロス集計は、この「なぜ?」に迫るための強力なツールです。
例えば、こんな疑問を解決できます。
- 「広告からの流入は多いけど、本当に効果があるの?」
- →「広告からの訪問者」と「コンバージョン」をクロス集計すると、実は広告からの訪問者は多いものの、実際の購入にはつながっていない、といった実態が見えてくるかもしれません。もしそうなら、広告の内容を見直す必要がありますよね。
- 「スマートフォンのユーザーが多いけど、使いづらくないかな?」
- →「デバイス(スマホ、PCなど)」と「サイト内での滞在時間や直帰率」をクロス集計すると、スマートフォンからの訪問者はPCからの訪問者に比べてサイトをすぐに離れてしまう、といった傾向がわかるかもしれません。これは、スマートフォンサイトの改善が必要なサインです。
- 「特定の記事を読んだ人は、その後の行動が違う?」
- →「特定の記事の閲覧有無」と「その後の問い合わせ」をクロス集計すると、その記事を読んだ人が、より高確率で問い合わせをしている、といったことがわかるかもしれません。これは、その記事がユーザーの購買意欲を高めている証拠です。
このように、クロス集計は、**単体のデータでは見えなかった「組み合わせによる傾向」**を浮き彫りにし、具体的な改善策のヒントを与えてくれます。
クロス集計でわかることは、ビジネスチャンス!
クロス集計は、あなたのウェブサイトの「強み」と「弱み」を浮き彫りにし、以下のようなビジネスチャンスを生み出します。
- 効果的なマーケティング施策の発見:
- どの流入経路からのユーザーが優良顧客になりやすいかを知り、その経路への投資を強化できます。
- 顧客理解の深化:
- 特定の属性を持つユーザーが、どのようなコンテンツに興味を持ち、どんな行動をするのかを把握し、よりパーソナルなアプローチが可能になります。
- ウェブサイトの改善点の特定:
- ユーザーが離脱しやすいデバイスやページを特定し、デザインやコンテンツの改善に繋げられます。
お客様のウェブ解析レポートにも、このクロス集計の視点を取り入れることで、今まで見えなかった新しい発見があるかもしれません。