アオウル博士: ITとセキュリティの専門家。ミマワリの頼れる相談相手。
ミマワリ: アオウルのキャラクター。PCやスマホは毎日使うけど、たまにツールがうまく使えず困ってしまう。

「Outlookが繋がらない!」「Excelが固まる!」2025年11月10日、週明けのオフィスを襲った突然のトラブル。PCの故障を疑って再インストールをする前に、プロが必ず行う「問題の切り分け」と、たった30秒で原因を突き止める「魔法のページ」の存在をご存知ですか?無駄な作業で時間を失わないための「障害対応の鉄則」を、IT専門家の博士が会話形式で分かりやすく解説します。
博士…!終わりました…僕の仕事人生、これにて終了です…。
週明け月曜日(11月10日)の朝から、Outlookは「接続中」のまま動かないし、大事な見積もりが入ってるExcelファイルを開こうとするとクルクル回ってフリーズするんです!

落ち着くのじゃ、ミマワリ君。今日は朝からその相談ばかりじゃな。「PCが壊れた」と泣きついてくる人が後を絶たんが、まずは状況を整理しよう。
そのPC、**「先週」**はどうじゃった?
先週の金曜日までは、サクサク快適に動いてましたよ!
それが、休み明けの今日(11/10)になった途端、このザマです。これはもう、僕のPCの寿命ですよね?もうOfficeをアンインストールして、入れ直そうと思ってます!

【緊急警告】ストップ!!早まるでない!
その「闇雲な再インストール」こそが、トラブル発生時の最悪の対応じゃ!
ミマワリ君、PCトラブル解決の鉄則を教えてやろう。それは「修理」することではない。**「場所を特定すること(切り分け)」**じゃ。
第1章:【警告】「あなたのPC」か「Microsoft」か? 運命の切り分け
切り分け…ですか?壊れてるのは僕の目の前のPCなんですから、場所もなにも、ここにあるじゃないですか。

そこが素人の落とし穴じゃ。現代のOffice(Microsoft 365)は、PCの中だけで動いているわけではない。常にインターネットの向こう側にある「クラウド(サーバー)」と通信しておる。
つまり、原因は大きく分けて2つ考えられるんじゃ。
- 原因A【ローカル(自分側)】の問題: PCの故障、ソフトの破損、Windows Updateの不具合など。
- 原因B【クラウド(Microsoft側)】の問題: サーバーダウン、通信障害など。
もし原因が「B」だった場合、ミマワリ君がいくら再インストールしようが、PCを買い替えようが、絶対に直らん。ただ時間を無駄にするだけじゃ。
ぞ、ぞっとしますね…。徹夜で再インストールして、結局直らなかったら立ち直れません。
でも博士、「自分のせい」なのか「マイクロソフトのせい」なのか、どうやって見分ければいいんですか?

まずは冷静に**「ビフォーアフター検証」**じゃ。
【ビフォー(先週)】
ExcelもOutlookも快適に動作。
【アフター(11/10)】
突然、Outlookはオフライン(接続不可)。
Excelは特定のファイルを開くとフリーズ。
このように「ある日突然」「複数の人が同時に」おかしくなった場合は、個人のPC故障よりも、もっと大きなトラブルを疑うべきじゃ。そこで登場するのが、IT担当者だけが知る「秘密の確認場所」じゃよ。
第2章:【秘密】IT担当者がまず確認する「魔法のページ」
魔法のページ…?そんな裏技みたいなサイトがあるんですか?

裏技ではない、公式情報じゃ。Googleなどの検索エンジンで、以下のキーワードを入れて検索してみるんじゃ。
「Microsoft 365 サービス正常性」
これがプロの最初のTIPSじゃ。Microsoftは、自社のサービスに障害が起きている場合、こっそり隠したりせず(時差はあるが)公式にステータスを発表しておる。
検索してみました…!あれ?いくつかのサイトが出てきますが、どれを見ればいいんですか?

一番早いのは、X(旧Twitter)の公式アカウント「@MSFT365Status」を見るか、一般公開されているステータスページを見ることじゃ。企業の管理者権限を持っていれば、管理画面(Microsoft 365 Admin Center)の「正常性」メニューを見るのが最も確実じゃな。
さて、今回の11月10日の状況を、わしと一緒に見てみよう。
Exchange Online(Outlookのサーバー):
「一部のユーザーで接続遅延、または接続不可の可能性あり」と報告あり。
ほら、これじゃ。ミマワリ君のOutlookが繋がらないのは、君のPCが壊れたからではない。「Microsoft側のサーバーが混雑して遅れている」のが正解じゃ。
えーっ!じゃあ、僕が悩んで再起動してた時間は完全に無駄だったってことですか!?
Microsoft側の問題なら、僕にできることって…

そう、**「待つ」**のが唯一の正解じゃ。
コーヒーでも飲んで、復旧のアナウンスを待つ。これこそが、クラウド障害時の最も賢い対処法なんじゃよ。焦って設定をいじると、復旧した時に逆に繋がらなくなるという二次災害を招くからな。
第3章:【検証】でもExcelは? 複合トラブルの罠
なるほど、Outlookは「待ち」ですね。安心しました。
でも博士、Excelのフリーズはどうなんですか?「サービス正常性」を見ても、Excelの障害は載っていない気がするんですが…。

鋭いな!そこが今回の11月10日問題の厄介なところじゃ。
Outlookは「クラウド側の障害」だったが、Excelのフリーズは「ローカル(自分側)の問題」である可能性が高い。
実は、先週末に配信された「Windows Update」や「Officeの更新プログラム」の中に、特定のExcel操作(マクロや特殊な関数)と相性の悪いものが含まれていたという報告が上がっておる。
つまり、こう切り分けるんじゃ。
- Outlook: マイクロソフト側の問題 → 対策:待つ
- Excel: 更新プログラムの影響(自分側) → 対策:対処が必要
ひえー!原因が別々だったなんて!
じゃあExcelの方はどうすればいいんですか?やっぱり再インストール?

いいや、再インストールは大掛かりすぎる。まずは「直近の更新プログラムをアンインストール(ロールバック)する」のが定石じゃ。これもIT担当者に相談案件じゃな。
大事なのは、「全部PCが悪い」と決めつけず、症状ごとに「外(クラウド)」か「内(PC)」かを検証する視点を持つことじゃよ。
まとめ:トラブル時は「検索」してから「動く」
勉強になりました!
「使えない!」→「すぐ再インストール」じゃなくて、「使えない!」→「サービス正常性を検索」→「外か内か切り分け」が正解なんですね。
よし、Excelの件は社内のIT担当の人に「更新プログラムのせいかも」って相談してみます!

その通りじゃ。賢いユーザーは、無駄な再インストールで時間をドブに捨てたりせん。まずは「検索」と「切り分け」。この初動さえ間違えなければ、どんなトラブルも怖くないぞ。
さあ、Outlookが復旧するまで、ゆっくりお茶でも飲むとするかの。