日頃よりパソコンをご利用の皆様へ、大切なご注意点がございます。
2025年6月10日に配信されたWindows 11およびWindows 10の月例セキュリティアップデートを適用した一部のパソコンで、起動できなくなるという深刻な不具合が報告されています。これは、パソコンの心臓部ともいえるBIOS(バイオス)が破損し、完全に動かなくなってしまうという、非常に困った状況です。
どんな症状が出るの?
この不具合が発生すると、以下のような症状が見られます。
- パソコンが全く起動しない:電源を入れても画面が真っ暗なまま、何も表示されません。
- 起動時のメーカーロゴ画面で止まってしまう:Windowsが起動せず、メーカーのロゴマークが表示されたままフリーズしてしまいます。
- 「自動修復」の画面で進まなくなる:通常ならWindowsの起動問題を直してくれるはずの自動修復機能も、途中で止まってしまいます。
一度この症状が出てしまうと、通常の手段ではパソコンを元に戻すことが非常に困難です。Windowsの再インストールを試みても、それすらできない「文鎮化」(ただの重い置物になってしまうこと)してしまうケースも報告されています。
なぜこんなことが起きるの?【原因が判明しました!】
今回の不具合の原因は、「Secure Boot DBX」というセキュリティに関わるデータベースの更新にあることが分かりました。
Windowsアップデートの際に、このデータベースのデータ量が大幅に増え、一部のパソコンに搭載されているBIOS(UEFI)が、その増えたデータ量に対応しきれず、処理能力や記憶容量の限界を超えてしまうために発生することが判明しました。例えるなら、小さな箱にたくさんの荷物を無理やり詰め込んだ結果、箱が壊れてしまったような状態です。
この問題は、パソコンのBIOSの設計上の特性に起因しており、マイクロソフトとPCメーカーのどちらか一方に明確な過失があるわけではないようです。しかし、今後も同様の不具合が発生する可能性が指摘されています。
どんなパソコンで発生しているの?
特に、以下のメーカー製のパソコンで不具合の報告が多く寄せられています。
- GIGABYTE製ノートPC(特に「GIGABYTE G5」というモデル)
- 富士通製PC(2015年から2016年に販売された一部モデル)
- マウスコンピューター製PC
これらのメーカーのパソコンをお使いの方は、特にご注意ください。
万が一、起動しなくなってしまったら?【復旧方法が見つかりました!】
幸いなことに、この不具合を修正し、起動しなくなったパソコンを復旧させる方法が見つかりました。
解決策は、各メーカーが提供する「BIOSの書き換え(アップデート)」です。
具体的には、USBメモリなどに特定のファイルを保存し、それを使ってパソコンのBIOSを直接更新するという手順になります。
- マウスコンピューターでは、既に一部モデル向けに新しいBIOSの提供が始まっており、USBを使った書き換えで復旧が可能です。
- GIGABYTEも、近日中に修正版のBIOSと手順書(マニュアル)を提供すると発表しています。
もし、お使いのパソコンが起動不能になってしまっても、すぐに修理に出す必要はありません。 メーカーが提供する情報やマニュアルに従ってBIOSの書き換えを行うことで、ご自身で不具合を修正できる可能性があります。
今すぐできる対策は?
今回の不具合は非常に深刻で、一度発生するとお客様ご自身での復旧が難しい状況です。そのため、メーカーからの正式な修正BIOSが提供され、詳細が明らかになるまでの間、以下の対策を強くお勧めします。
- Windows Updateの自動更新を一時的に停止する
- Windowsの設定から、アップデートの一時停止が可能です。
- 方法が分からない場合は、無理に行わず、インターネット接続を一時的に切るなどの対策も有効です。
もしご自身のパソコンが該当するメーカー製であるか不安な方や、Windows Updateの設定方法が分からない場合は、お気軽にご相談ください。
お客様の大切なパソコンを守るため、ご協力をお願いいたします。