「自社のウェブサイト、アクセス数はあるのに、なぜか問い合わせや商品の購入に繋がらない…」 「お客様は、サイトのどこで見るのをやめてしまうのだろう?」
ウェブサイトを運営されている方なら、一度はこんな風に感じたことがあるかもしれません。せっかく訪れてくれたお客様が、ゴールにたどり着く前にサイトを離れてしまうのは、非常にもったいないですよね。
その原因を見つけ出し、改善のヒントを与えてくれるのが、今回ご紹介する**「ファネルデータ探索」**という分析手法です。
お客様の「足あと」を見える化する魔法の”じょうご”
「ファネル」と聞いても、ピンとこないかもしれませんね。ファネル(Funnel)とは、英語で**「じょうご(漏斗)」**のことです。液体を口の狭い容器に移すときに使う、あの円錐形の道具をイメージしてください。
ウェブサイト分析におけるファネルとは、お客様がサイトを訪れてから、最終的なゴール(商品の購入、問い合わせ、会員登録など)を達成するまでの道のりを、この「じょうご」の形で表したものです。
最初はたくさんの人が訪れても、次のステップ、また次のステップへと進むにつれて、少しずつ人数が減っていきます。このお客様の足あとを可視化するのが「ファネル分析」の基本です。
【具体例】ネットショップで見てみましょう
例えば、あるネットショップの1日の流れを「ファネル」で見てみると、このようになります。
- ステップ1:トップページに来た人
- 100人
- ステップ2:商品を探して一覧ページを見た人
- 80人 (ここで20人が離脱)
- ステップ3:気に入った商品をカートに入れた人
- 30人 (ここで50人が離脱)
- ステップ4:購入手続きを完了した人
- 15人 (ここで15人が離脱)
この図を見ると、**「商品をカートに入れた後、購入手続きを完了するまでの離脱が一番多い」**ということが一目瞭然です。
もしかしたら、「送料が思ったより高かった」「個人情報の入力項目が多すぎて面倒になった」「決済方法が少なかった」など、購入手続きのページに何らかの問題があるのかもしれません。
このように、お客様がどこでつまずいているのか、つまりサイトのボトルネックを特定できるのが、ファネルデータ探索の最大の強みです。
「ファネルデータ探索」なら、さらに深く原因を探れる!
最近の分析ツール(Google Analytics 4など)に搭載されている「ファネルデータ探索」機能を使うと、さらに詳しい分析が可能です。
- 「スマートフォンからのアクセス」に絞って見てみたら、特に離脱が多かった。 → スマホサイトの入力フォームが使いにくいのかも?
- 「新規のお客様」と「リピーターのお客様」を比べたら、新規のお客様の離脱が目立った。 → 初めての人には、購入までの流れが分かりにくいのかな?
このように、様々な角度からお客様の行動を深掘りすることで、改善すべき点の仮説がより具体的になり、「勘」や「経験」に頼らない、データに基づいたサイト改善が可能になります。
まとめ:機会損失を防ぎ、ビジネスを成長させる第一歩
お客様がサイト内で迷子になり、ゴール寸前で諦めてしまうのは、ビジネスにとって大きな「機会損失」です。
「ファネルデータ探索」は、その失われた機会を取り戻し、お客様をスムーズにゴールまで案内するための、いわば「地図」のようなものです。
まずは、自社のサイトで「お客様にどう動いてほしいか」という理想の流れ(ゴールまでのステップ)を考えてみることから始めてみませんか?そして、実際のデータと見比べることで、きっと多くの改善のヒントが見つかるはずです。