「会員登録数は順調に増えているのに、なんだか反応が薄い…」 「新しい機能をリリースしたけれど、ちゃんと使われているのかな?」
Webサービスやアプリを運営されている皆様なら、一度はこんな疑問を感じたことがあるのではないでしょうか? 登録者数やダウンロード数も大切ですが、それだけではお客様が本当にサービスを活用してくれているかは見えません。
そこで重要になるのが、サービスの「健康診断」とも言えるアクティブユーザーという考え方です。今回は、このアクティブユーザーについて、分かりやすく解説します。
「アクティブユーザー」って、どんな人?
アクティブユーザーとは、簡単に言えば「ある期間内に、実際にサービスを使ってくれたお客様」のことです。
- ポイント1:登録しているだけじゃない! ただ会員登録しているだけ、アプリをダウンロードしただけ、という方は含みません。実際にログインしたり、記事を読んだり、買い物をしたり… 何らかの**行動(アクション)**を起こしてくれたお客様が「アクティブ」とカウントされます。
- ポイント2:「使う」の定義はサービス次第 何を「使った」と見なすかは、あなたのサービスがお客様に何を提供したいかによって決まります。
- ニュースアプリなら「記事を読んだ」
- ECサイトなら「商品を見た」「カートに入れた」
- ビジネスツールなら「ログインした」「ファイルを作成した」 など、サービスの価値に直結する行動を「アクティブ」の基準にするのが一般的です。
アクティブユーザーを知る3つの「ものさし」:DAU・WAU・MAU
アクティブユーザーを測るには、主に3つの期間(ものさし)が使われます。
DAU (Daily Active Users):「毎日」使ってくれるお客様の数
- 1日単位で、どれくらいのお客様がサービスを利用したかを示します。
- 例えるなら: お店の「1日の来客数」。SNSやニュースアプリなど、毎日の習慣として使ってほしいサービスで特に重要です。日々の反応を見るのに役立ちます。
WAU (Weekly Active Users):「毎週」使ってくれるお客様の数
- 1週間単位(過去7日間)で利用したお客様の数です。
- 例えるなら: カフェの「週ごとの常連さんの数」。ビジネスツールや趣味のアプリなど、毎日ではないけれど週に数回は使ってほしいサービスで参考になります。
MAU (Monthly Active Users):「毎月」使ってくれるお客様の数
- 1ヶ月単位(過去28~30日間)で利用したお客様の数です。
- 例えるなら: 会員制施設の「月間の利用者数」。多くのサービスで、全体的な顧客基盤の大きさを示す基本的な指標として使われます。利用頻度が月1回程度でも重要なサービス(ネットバンクや大型ECサイトなど)にも適しています。
なぜアクティブユーザーが大切なの?
これらの数字を見ることで、あなたのビジネスにとって重要な、様々なことが分かります。
- サービスの「健康状態」が分かる! アクティブユーザーが増えているか、減っているかを見ることで、サービスがお客様にちゃんと価値を提供できているか、成長しているかの「健康診断」ができます。
- お客様の「熱中度」が分かる! 例えば、「毎日使うお客様(DAU)」が「毎月使うお客様(MAU)」の中でどれくらいの割合いるか(DAU/MAU比率)を見ると、お客様がどれだけサービスを気に入って、習慣的に使ってくれているか(=熱中度、定着率)が分かります。
- 施策の「効果」が分かる! 新しいキャンペーンや機能追加を行った後、アクティブユーザーが増えれば、その施策がお客様に響いた証拠になります。効果測定に役立ちます。
- サービスの「改善点」が見える! どの指標が伸び悩んでいるか、どんなお客様があまりアクティブでないかなどを分析することで、サービス改善のヒントが得られます。
はじめの一歩
まずは、あなたのサービスにとって「使われている」とは具体的にどういう状態か(=アクティブの定義)を考えてみましょう。そして、DAU・WAU・MAUといった指標を意識して、お客様の利用状況を把握することから始めてみませんか?
アクティブユーザーを理解することは、お客様とのより良い関係を築き、サービスを成長させるための、確かな一歩となるはずです。