Webサイトに埋め込んだ製品紹介やお客様の声の動画。「この動画、ちゃんと見てもらえているのかな?」「どのくらい関心を持たれているんだろう?」と気になったことはありませんか?
動画はユーザーに多くの情報を伝えられる強力なツールですが、その効果を具体的に把握するのは意外と難しいものです。
しかし、ご安心ください。Googleが無料で提供する「Googleタグマネージャー(GTM)」というツールを使えば、プログラミングの専門知識がなくても、クリック操作だけで「誰が・どの動画を・どこまで見たか」を計測できるようになります。
今回のコラムでは、その具体的な設定方法を、Web担当者様向けに分かりやすく解説します。
なぜ動画の視聴分析が必要なの?
「再生回数ならYouTubeでも見れるし…」と思われるかもしれません。しかし、GTMを使えば、もっと踏み込んだ分析が可能です。
- 動画のどの部分で離脱しているか? → 長すぎて飽きられている? 情報が分かりにくい? コンテンツ改善のヒントが見つかります。
- 最後まで見てくれるユーザーはどんな人か? → 関心度の高い「見込み顧客」の行動パターンを理解できます。
- 複数の動画のうち、どれが一番人気か? → ユーザーが本当に求めている情報を把握し、次のコンテンツ企画に活かせます。
このように、視聴データを分析することで、Webサイトのコンテンツを改善し、最終的にはビジネスの成果に繋げることができます。
3ステップで完了!YouTube動画計測の設定手順
GTMは「Webサイトの計測を管理する便利な司令塔」のようなものです。この司令塔に「YouTube動画が再生されたら、Googleアナリティクスに報告して!」と命令を出すだけで、計測が始まります。
設定は大きく3つのステップです。一緒に見ていきましょう。
ステップ1:下準備をしよう(GTMの機能をONにする)
まず、GTMに「これから動画の情報を集めるよ!」と教えてあげる準備をします。動画情報をキャッチするためのアンテナを立てるイメージです。
- GTMの管理画面で「変数」メニューを開きます。
- 「組み込み変数」の「設定」をクリックし、**「動画」という項目をすべてON(チェックを入れる)**にします。
これだけで、動画のタイトルや再生時間などの情報を受け取る準備が整いました。
<br> <div style=”text-align: center;”> <img src=”https://storage.googleapis.com/gemini-prod/images/418f15b6-7685-45de-aa8f-d6bd75d8d3f6” alt=”GTMの組み込み変数の設定画面で、動画関連の変数にチェックを入れている様子” width=”80%”> <p style=”font-size: 0.9em; color: #666;”>動画関連の項目をすべてONにします</p> </div> <br>
ステップ2:計測の「きっかけ」を設定しよう(トリガーの設定)
次に、「どんな時」にデータを計測するかの”きっかけ”を設定します。これをGTMでは「トリガー」と呼びます。
- 「トリガー」メニューで「新規」をクリックし、トリガーの種類で**「YouTube動画」**を選びます。
- 計測したいタイミングにチェックを入れます。
- 開始: 再生が始まった時
- 完了: 最後まで見終わった時
- 進行状況: 「
10, 25, 50, 75
」のように入力すれば、動画が25%再生されるごと、50%再生されるごとに計測できます。
- 最後に、詳細設定にある**「すべての動画に JavaScript API サポートを追加する」**にチェックを入れるのを忘れないようにしましょう。これは、GTMが動画とスムーズに連携するための”おまじない”のようなものです。
<br> <div style=”text-align: center;”> <img src=”https://storage.googleapis.com/gemini-prod/images/40306385-e7a9-4089-afb5-31f4a9a063aa” alt=”GTMのトリガー設定画面でYouTube動画トリガーを作成している様子” width=”80%”> <p style=”font-size: 0.9em; color: #666;”>「開始」「完了」「進行状況」などを設定します</p> </div> <br>
ステップ3:計測データをGoogleアナリティクスに送ろう(タグの設定)
最後のステップです。ステップ2の”きっかけ”でキャッチした情報を、分析ツールである「Googleアナリティクス(GA4)」に報告書として送る設定をします。これを「タグ」と呼びます。
- 「タグ」メニューで「新規」をクリックし、タグの種類で**「Googleアナリティクス: GA4イベント」**を選びます。
- お使いのGA4の「測定ID」を入力します。
- イベント名には、GA4で分かりやすいように
video_start
やvideo_complete
といった名前を付けます。 - イベントパラメータで、「どの動画か(
video_title
)」「何%まで見たか(video_percent
)」といった詳細情報を追加で送るように設定します。 - 最後に、このタグをいつ発動させるか、きっかけとしてステップ2で作ったトリガーを指定します。
<br> <div style=”text-align: center;”> <img src=”https://storage.googleapis.com/gemini-prod/images/64f1d332-9ab1-464a-a0aa-45cd5d5df2f0” alt=”GTMのタグ設定画面でGA4イベントタグを作成している様子” width=”80%”> <p style=”font-size: 0.9em; color: #666;”>どの動画が再生されたか、といった詳細情報を送る設定です</p> </div> <br>
設定はOK?確認して公開しよう
設定が完了したら、GTMの「プレビュー」というリハーサル機能を使って、正しく計測できるかテストします。自分のサイトで動画を再生してみて、GTMの管理画面に計測データがリアルタイムで表示されれば成功です!
問題ないことを確認したら、最後に**「公開」**ボタンを押して、設定を本番のWebサイトに反映させましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 一見難しそうに見える動画の視聴計測も、Googleタグマネージャーを使えば、手順通りに進めるだけで設定が可能です。
「なんとなく良さそう」で置いていた動画コンテンツの効果を、具体的なデータで把握し、お客様の理解を深める第一歩を踏み出してみませんか?
もし、「自社で設定するのは少し不安」「設定方法がよくわからない」という場合は、どうぞお気軽に弊社までご相談ください。専門のスタッフがサポートさせていただきます。