「なんだか仕事がごちゃごちゃするな…」「もっと効率よく課題を見つけたい!」そう感じたことはありませんか?実は、そんな悩みを解決する強力な思考法があるんです。それが「MECE(ミーシー)」と呼ばれる考え方です。
一見難しそうに聞こえるこの言葉ですが、意味はとってもシンプル。「モレなく、ダブりなく」ということです。
MECEって、結局どういうこと?
「モレなく、ダブりなく」とは、たとえば何かを分類するときに、
- モレなく(Collectively Exhaustive): 考えられる全てがきちんと含まれていること
- ダブりなく(Mutually Exclusive): 同じものが重複して数えられていないこと
を指します。
身近な例で考えてみましょう。あなたは会社の会議で「顧客のクレーム内容を改善したい」という議題が出たとします。この時、もしMECEの考え方がなければ、
「対応が遅いって言ってたな…」「品質のこともあったっけ…?」「あと、なんだっけ…」
と、思いつくままに意見を出し合い、結局何が一番の問題なのか見えにくくなってしまいます。
MECEを使ってクレームを整理してみよう!
そこでMECEの出番です。例えば、クレーム内容を以下のように分類してみます。
- 商品・サービスの品質に関するクレーム
- 担当者の対応に関するクレーム
- 納期・スケジュールに関するクレーム
- 料金・契約に関するクレーム
この分類はどうでしょう?
- モレがないか? 顧客からのクレームは、この4つのどれかに当てはまりそうですね。他に大きな項目があれば、追加することもできます。
- ダブりがないか? 1つのクレームが「品質」と「納期」の両方に属することはないか?もしあるなら、さらに細分化したり、分類方法を見直したりできます。
このように分類することで、「品質に関するクレームが全体の7割を占めている!」といった具体的な課題が見えてきます。漠然とした「クレーム」という大きな塊が、原因ごとにスッキリ整理され、次の一手を考えやすくなります。
MECEがあなたのビジネスにもたらすメリット
MECEの考え方を意識するだけで、こんな良いことがあります。
- 課題がハッキリ見つかる!:「どこに問題があるか」が明確になり、解決策を立てやすくなります。
- ムダがなくなる!:同じことを何度も検討したり、肝心なことを見落としたりするミスが減ります。
- スムーズなコミュニケーション!:整理された情報は、チームメンバーやお客様にも伝わりやすく、誤解が少なくなります。
- 質の高い意思決定!:必要な情報がすべて揃い、抜け漏れがないため、より良い判断ができるようになります。
さあ、あなたもMECEを意識してみませんか?
MECEは、特別なスキルではなく、日々の業務の中で意識できる「思考の習慣」です。資料作成、企画立案、顧客分析…どんな場面でも「モレなく、ダブりなく」を頭の片隅に置いてみてください。
きっと、目の前の課題がスッキリと整理され、より効率的で生産的なビジネスにつながるはずです。