ウェブサイトのパフォーマンスを知る上で欠かせないのがウェブ解析レポートです。毎月、あるいは毎週、Google Analyticsなどのツールから送られてくるレポートには、たくさんの数字やグラフが並んでいますよね。
「なんとなくグラフは見てるけど、結局何を読み取ればいいの?」 「この数字が増えてるから良いってこと?でも、なぜ?」
もしそう感じているなら、それはグラフを最大限に活用できていないからかもしれません。今回は、ウェブ解析レポートに登場するグラフを、もっと分かりやすく、そして効果的に読み解くためのポイントをお伝えします。
グラフは「ウェブサイトの物語」を語るツールです
数字の羅列だけでは、ウェブサイトの状況を把握するのは難しいものです。そこで役立つのがグラフ。グラフは、複雑な数字を視覚的に分かりやすく表現し、ウェブサイトで何が起こっているのか、まるで物語のように教えてくれます。
たとえば、ウェブサイトへの訪問者数(セッション数)の推移を表す折れ線グラフを見てみましょう。
- 右肩上がりの折れ線グラフ:「最近、ウェブサイトに興味を持ってくれる人が増えているんだな!」という成長の物語を教えてくれます。
- 急な落ち込みがあるグラフ:「この日、何かあったのかな?システムトラブル?それとも広告の停止?」といった、問題発生のサインを教えてくれます。
このように、グラフは数字の背後にある「なぜ?」や「どうするべきか」を考えるための手がかりになるのです。
グラフから「価値ある情報」を引き出す3つの視点
では、具体的にどんな点に注目すれば、グラフからより深いインサイト(洞察)を得られるのでしょうか?
1. 目的とグラフの種類を理解する
ウェブ解析レポートには、様々な種類のグラフがあります。それぞれ得意な「表現方法」が異なります。
- 折れ線グラフ:時間による変化を見るのに最適です。「訪問者数は先週と比べてどう変化したか?」「コンバージョン率(目標達成率)は月ごとにどう推移しているか?」といったトレンドを追うのに向いています。
- 棒グラフ:項目ごとの比較をするのに便利です。「どのデバイス(PC、スマホ)からのアクセスが多いか?」「どの参照元(検索エンジン、SNSなど)からの訪問が多いか?」など、カテゴリごとの大小関係を把握するのに役立ちます。
- 円グラフ:全体に対する割合を見るのに使います。「新規顧客とリピーターの割合は?」といった、構成比を直感的に捉えることができます。ただし、項目が多すぎると分かりにくくなるので注意が必要です。
2. 「変化」と「比較」に注目する
グラフを見る際に最も重要なのは、**「変化」と「比較」**です。
- 変化(トレンド):
- 折れ線グラフを見て、上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのか、横ばいなのかを読み取ります。
- 急激な変化があった場合は、「なぜこの変化が起きたのか?」とその原因を考えます。(例:「SNSでバズったから急増した」「サーバーが一時停止したから激減した」など)
- 比較:
- 前週や前月と比較して、数字がどう変わったかを見ます。
- 目標値や競合他社のデータ(もしあれば)と比較して、現状の立ち位置を把握します。
- 複数のデータ(例:広告Aと広告Bのクリック数)を並べて比較し、どちらが効果的だったかを判断します。
3. グラフの「見せ方」にも目を向ける
グラフは作成者側の意図や工夫によって、見え方が大きく変わります。
- タイトルとラベル:グラフが何を表しているのか、軸の単位(%、円など)は何か、きちんと明記されているか確認しましょう。
- 色と凡例:複数の線や棒がある場合、それぞれが何を表しているのか、色が分かりやすく区別されているか、凡例(はんれい)が適切に配置されているかを確認します。
- 目盛りの範囲:極端に小さな値があるために、変化が見えにくくなっているケースもあります。目盛りの範囲が適切かどうかも意識すると良いでしょう。
グラフから「次の行動」へつなげるために
グラフを読み解く最終的な目的は、ウェブサイトをより良くするための具体的なアクションを見つけることです。
例えば、
- 「スマホからのアクセスが増加している」というグラフの傾向から、「スマホサイトのユーザビリティをさらに向上させよう」というネクストアクションが生まれます。
- 「特定ページの離脱率が高い」というグラフから、「このページのコンテンツを改善したり、導線を分かりやすくしたりしよう」という改善策が見えてきます。
私たちがご提供するウェブ解析レポートでは、単に数字とグラフを並べるだけでなく、これらのグラフから読み取れる**「インサイト(洞察)」と、それに基づいた「推奨アクション」**を明確にお伝えすることを心がけています。
もしレポートについてご不明な点があれば、いつでもお気軽にお声がけください。グラフを最大限に活用し、お客様のウェブサイトの成果を一緒に高めていきましょう。