Googleドライブの容量はあるはずなのに「空き容量がありません」と表示されてお困りですか?その原因はドライブのゴミ箱だけではありません。専門家がGmailやGoogleフォト、隠れた「孤立ファイル」まで、5つの意外な原因と具体的な解決策を会話形式で徹底解説。あなたのストレージ不足を今すぐ解決します。
は、博士〜!大変です!大事件です!
僕のGoogleドライブが…!

おぉ、ミマワリ君。どうしたんじゃ、そんなに慌てて。まさか、また怪しいメールでもクリックしてしまったのかね?
違いますよ〜!今回はセキュリティの話じゃなくて、Googleドライブなんです。
大事なファイルをアップロードしようとしたら、「空き容量がありません」ってエラーが出ちゃって…。でも、おかしいんです!

ほう、おかしいとは?
ドライブの容量を確認したら、契約している30GBのうち、まだ10GBも空きがあるって表示されてるんです!空きがあるのに「空き容量がありません」って、どういうことですか!?これってバグですかね?

なるほどな。その現象はバグではないんじゃ。実は多くのGoogle Workspaceユーザーが陥る「見えない容量」のワナなんじゃよ。
第1章:なぜ?空きがあるのに「空き容量がない」謎の正体
見えない容量のワナ…?なんですか、それ?

うむ。ミマワリ君は、Google Workspaceのストレージ容量が、何に使われているか正確に知っておるかな?
えっ、もちろんGoogleドライブのファイルじゃないんですか?WordとかExcelとかPDFとか、写真とか…。

もちろんそれも正解じゃ。じゃが、それだけではないんじゃ。
Google Workspaceのストレージは、例えるなら一つの大きな共有倉庫のようなもの。その倉庫には、主に3つのサービスが荷物(データ)を置いているんじゃ。
- ① Google ドライブ(君が思っているファイルやフォルダ)
- ② Gmail(君が送受信した全てのメールと添付ファイル)
- ③ Google フォト(君が保存した全ての写真と動画)
ミマワリ君が見ていたのは、おそらく①のGoogleドライブの中だけ。しかし実際には、②のGmailや③のGoogleフォトが、倉庫の見えないところでスペースを圧迫している可能性があるんじゃよ。
ええっ!?Gmailのメールも、Googleドライブの容量を使ってるんですか!?知らなかった…。

そうなんじゃ。そして、実はそれ以外にも、さらに見つけにくい「隠れた犯人」がいる場合もある。これから、その犯人たちの正体と、捕まえ方(解決策)を順に教えていこう。
第2章:犯人は誰だ?容量を食いつぶす5つの意外な原因
では、容量不足を引き起こす原因を、可能性が高い順に5つ挙げてみよう。
【原因①】Googleドライブの「ゴミ箱」
まずは基本中の基本じゃ。ドライブでファイルを削除しても、すぐには容量は空かん。ファイルは一時的に「ゴミ箱」に移動するだけ。このゴミ箱の中のデータも、完全に削除されるまでの30日間は容量を消費し続けるんじゃ。
あ、それは知ってます!パソコンと一緒ですよね。ゴミ箱は空にしたんですけど、それでもダメだったんです…。

よろしい。では、次の犯人じゃ。
【原因②】Gmailのメールと添付ファイル(と、そのゴミ箱)
先ほど言った通り、Gmailのデータも容量を消費する。特に、容量が大きい添付ファイルがついたままの古いメールが、何年も受信トレイや送信済みアイテムに眠っていることが多いんじゃ。テキストだけのメールは微々たるものじゃが、数MBのファイルが数百通もあれば、あっという間に数GBになるからのう。
そして重要なのが、Gmailにも専用の「ゴミ箱」があること。ドライブのゴミ箱を空にしても、Gmailのゴミ箱は別物。こちらもチェックが必要じゃ。
【原因③】Google フォトの写真と動画
これも盲点になりやすい。特に個人のスマートフォンと連携させている場合、知らず知らずのうちに高画質な写真や動画が大量にバックアップされ、容量を圧迫していることがある。2021年6月1日以降に「元の画質」でアップロードされたものは、すべて容量を消費するから注意が必要じゃ。
うわぁ…言われてみれば、昔のメールも写真も、消した記憶がないです…。全部残ってるかも…。でも、それだけじゃないんですよね?「さらに見つけにくい犯人」って?

うむ。ここからは少し専門的になるぞ。
【原因④】共有ドライブのデータ
ミマワリ君の会社では「共有ドライブ」を使っておるかな?チームでファイルを共有するのに便利な機能じゃが、この共有ドライブのデータも組織のストレージ容量を消費する。個人のマイドライブの容量とは別に計算されることが多いが、設定によっては個人の使用量としてカウントされるケースや、組織全体の容量上限に達してしまい、結果的に君がファイルをアップロードできなくなる、ということもあるんじゃ。
【原因⑤】孤立したファイル(みなしごファイル)
これが最も見つけにくい犯人じゃ。「孤立したファイル」とは、親となるフォルダが削除されてしまったために、行き場をなくしてしまったファイルのことじゃ。例えば、君が共有フォルダAの中にファイルBを作成し、その後、他の誰かがフォルダAを削除したとする。すると、ファイルBはどのフォルダにも属していない宙ぶらりんの「みなしご」状態になる。このファイルは通常のファイル一覧には表示されないのに、君がオーナーである限り、君のストレージ容量を消費し続けるんじゃ。
こ、孤立したファイル…!?そんなホラーみたいな話があるんですか!?
なんだか僕のドライブ、そういうので溢れてそうです…。博士、助けてください!どうやったらその犯人たちを捕まえられますか?

第3章:実践!ステップ・バイ・ステップで空き容量を取り戻す方法
承知した。これから教える手順で、一緒にストレージの大掃除をしていくぞ。簡単じゃから、一つずつ確実にやっていこう。
ステップ①:まずはストレージの内訳を確認する
敵を知るには、まず現状分析じゃ。Googleの「ストレージ管理」ページにアクセスしてみよう。以下のリンクから飛べるぞ。
このページで、君の容量が「Google ドライブ」「Gmail」「Google フォト」にそれぞれ、どれくらい使われているかが一目でわかるはずじゃ。
わ、本当だ!円グラフで分かりやすい!
えーっと、僕の場合は…ドライブが12GB、Gmailが7GB、フォトが1GB…って、Gmailが思ったよりずっと多いです!犯人はこいつかも!

うむ。では、そのGmailから片付けていこう。
ステップ②:Gmailの「大物ファイル」を一網打尽にする検索術
Gmailの検索ボックスに、これから教える「検索演算子」という呪文を打ち込むんじゃ。これで、容量の大きいメールだけを効率的に探し出せる。
size:10m
これは、「10MB以上の添付ファイルがついたメール」を検索するという意味じゃ。数字を変えれば、5MB(size:5m)や20MB(size:20m)など、好きなサイズで検索できる。見つかったメールの中で、不要なものを削除していくんじゃ。
【応用編】
larger_than:10m older_than:1y
これは「10MB以上」で、なおかつ「1年以上古い」メールを検索する呪文じゃ。これで、古くて大きい、不要である可能性が高いメールをまとめて見つけられるぞ。
削除したら、最後に必ず左メニューの「ゴミ箱」を開いて、「ゴミ箱を今すぐ空にする」をクリックするのを忘れずにな!
すごい!魔法みたい!こんな便利な検索方法があったんですね!
やってみます!…うわっ、出るわ出るわ…昔の飲み会の写真とか、プレゼン資料とかが大量に…。これを消して、ゴミ箱も空にしたら…おぉ!一気に5GBも空きました!

上出来じゃな。では、念のためドライブも見ておこう。
ステップ③:Googleドライブのゴミ箱と「孤立したファイル」を探す
まずはドライブの左メニューから「ゴミ箱」を開き、ここも空にするんじゃ。ミマワリ君は既にやったようじゃが、再確認は大事じゃ。
次に、いよいよ「孤立したファイル」の捜索じゃ。これも検索ボックスに呪文を打ち込む。
is:unorganized owner:me
これは、「整理されていない(=どのフォルダにも属していない)」かつ「自分がオーナー」のファイルを検索するという意味じゃ。これで、例の「みなしごファイル」が見つかるはずじゃ。
ドキドキ…。検索してみます…。
あっ!ありました!前にプロジェクトで使ってた資料がいくつか…。プロジェクトフォルダごと消えたはずなのに、ファイルだけ残ってたんだ!これも削除します!

うむ。これで、君が自分で管理できる範囲の掃除はほぼ完了じゃ。どうじゃ、もう一度容量を確認してみてごらん。
はい!…わー!すごいです博士!合計で7GBも空き容量が増えました!
これでもう「空き容量がありません」って言われないですよね!本当にありがとうございました!

第4章:もう繰り返さない!賢いストレージ管理術
まあ待て、ミマワリ君。喜ぶのは良いことじゃが、大事なのはこの状態を維持することじゃ。最後に、もう二度と容量不足で慌てないための「賢い管理術」を授けておこう。
① 半年に一度は「大掃除の日」を決める
今回やったGmailの検索(larger_than:10m older_than:6m など)や、ゴミ箱の整理を、定期的に行う習慣をつけるんじゃ。カレンダーに登録しておくと良いじゃろう。
② 巨大なファイルはGoogleドライブで共有する
誰かに大きなファイルを送りたい時、メールに添付するのではなく、Googleドライブにアップロードして「共有リンク」を送るようにするんじゃ。これなら、メールの容量を圧迫することはない。
③ 「Googleドライブ for デスクトップ」をストリーミングで使う
もしパソコンに専用アプリを入れているなら、「ストリーミング」設定がおすすめじゃ。これは、ファイルの実体をクラウドに置いたまま、パソコンからはショートカットのようにアクセスする方法じゃ。パソコンのHDD容量も節約できて一石二鳥じゃぞ。
なるほど!問題が起きてからじゃなくて、日頃からの心がけが大事なんですね。
これからはちゃんと意識して、ストレージを綺麗に使うようにします。博士、今日は本当に勉強になりました!

うむ、その意気じゃ。Google Workspaceのストレージは個人のものでもあり、会社の資産でもある。上手に付き合っていくことが、快適なデジタル仕事術の第一歩じゃぞ。